2012年09月10日

EIZO FORIS FS2333 〜レビュー〜 FSX+SmartInsight

さて前回のエントリに引き続きFS2333のレビューです。

こういうマルチメディア液晶モニタではリモコン装備なことが多いですが、この機種にもリモコンあります。ていうか本体前面のポチポチ押すボタンは電源、VOL+、VOL-、信号切り替えの4つの単機能ボタンしかないので、事実上リモコン無しではメニューとかを操作できません。

fs2333-cotrole-remoto.jpg

ひとつ前のモデルの FS2332 ではリモコンの出来がもうひとつだった、みたいな情報をちらほら見かけましたが、このFS2333に付属のリモコンは改良されたのか特に不満もなく必要にして十分な出来と思いました。大きさも不必要にデカ過ぎることもなくちょうどいい感じですね。

いろいろいじってみましたが、バックライトの明るさ以外は出荷初期状態で非常にバランスよく調整されていて、調整の必要はほとんどないと感じました。地味に便利だと思ったのが、メニューから呼び出せる本体設定で電源のLED(画像では青)を消灯できること。意外とありそうでなかった機能のような気がします。

リモコンの「MENU」ボタンを押すと一般的なカラー調整、本体設定などのメニューを呼び出せますが、この機種のウリであるところの「スマートなんちゃら」は普通のメニューからだと[カラー調整]→[詳細設定]→[Smart Functions]と階層を掘らないとたどり着けないので、利便性のために「Smart」ボタンを押すことで一発で呼び出せるようになっています。

- Smart Functions -

fs2333-smart-insight-menu.jpg

メニューを見ると Smart Detection, Smart Resolutioin, 肌補正、文字補正, Smart Insight と並んでいてなんかいっぱい機能あるんやねーという感じですが、実はおおまかにいってスマート機能は2つです。

第一が Smart Resolution 機能、そして2つめが Smart Insight 機能です。

Smart Resolution 機能とはなんぞや?といえば、簡単にいうと画像をハッキリくっきりしてくれる機能です。画像編集ソフトのシャープ化フィルターみたいなもんと思ってください。"Smart"というくらいなので必要な場所に賢くフィルターがかかる、みたいな感じですね。

このスマートレゾリューションをOnにすると確かにボヤッとしたピンボケ気味写真がシャキッとした感じになります。レベルが5段階で調整できますがレベル5にするとどぎつすぎて違和感がありますので、実用上はレベル3ぐらいまでが適当でしょう。

スマートレゾリューションをOnにした状態では文字や人間の肌のエッジなどが不自然に強調されて違和感があるため、これを賢く判定して文字や肌の部分には効果が及ばないようにするのが、「肌補正」と「文字補正」です(なので、この2つはスマートレゾリューションをOnにしたときしか選択できません)

次に売り文句で一押しの Smart Insight ですが、これは簡単にいうと暗い画面を明るくして見やすくする機能です。「そんなんブライトネス調整したらええですやん」と突っ込みたくなるかもしれませんが、単なるブライトネス補正だと全体に白っぽくノッペリと明るくなってしまうので必ずしも細部の判別のしやすさにはつながらないのです。そこで表示中の画素を分析して賢く、浮かび上がるように明るくしてくれる・・みたいな感じの機能です。これを使うとFPSのゲームなんかで暗い場面に潜む敵を判別しやすくなる‥‥というふれこみです。

‥で、この2大スマートファンクションですが、このFS2333では画面全体の動画部分だけ自動判定してそこだけフィルターがかかるように処理するモードがあるんですね。これがスマートメニューのトップにある Smart Detection という機能です。

この Smart Detection は「フルスクリーン」か「動画」かの二択ですが、「フルスクリーン」はスマートファンクションが画面全体にかかり、「動画」は動画部分だけにかかるモード、というわけです。

たとえばこんなふうに Youtube 動画をブラウザで見ているとして、黄色の点線枠内の部分のみスマートファンクションがONになります。(判定に処理時間がかかるため、実際に利き始めるまでに数秒程度のタイムラグがあります)

fs2333-smart-resolution-1.jpg

なかなかスゴイ機能ですが、おそらく部分画素が時間単位でどれくらい激しく動いているか?を判定しているんでしょうね。例えば Youtube でまったく動きのない動画を表示すれば当然フィルターはかかりません。また「動画」と言ってますがいわゆる「ビデオ映像」である必要はなく、たとえば動きの激しいゲーム画面にもフィルターがかかります。

ネットのレビューでは Smart Detection がスマートレゾリューション(超解像技術)の付属機能的に扱われてることもあるようですが、スマートインサイト(暗部補正)に対しても有効になります。たとえばホラー動画を Youtube でみていてスマートインサイトをOnにすると、動画の横にある広告の暗い画像はそのままなのに、Youtube動画内の暗闇に潜むホッケーマスクの顔だけ浮き上がって見えるというわけです。

スマートインサイトにしろスマートレゾリューションにしろ、全画面モードだとどうしても文字など通常のデスクトップ画面に違和感のあるエッジの滲みが出てしまいますので、この Smart Detection はなかなか使える機能だと思います。


- Smart Insight + FSX -

さて、この機種の広告で一押しのスマートインサイトですが実際にどれくらい効果があるのか試して見ましょう。ていうか、ネットに同じような記事がいっぱい転がってますが、どれも FPSゲームか写真ばっかりなので、ここでは誰もやってないであろうマイクロソフト・フライトシミュレータの画面で試してみます。

fsx-install-logo.jpg

モニター買い替えのついでに、PCの配置換えやリニューアルもやったので FSX を久しぶりに、いちからインストールしました。

fs2333-mostrando-fsx.jpg

まだまだアドオンやらテクスチャーやら設定しないといけないことがたくさんありますが、とりえあず私が一番よく使うアドオン機体 Wilco の Regional Jet Collection のエンブラエル170をまずインストール。

デフォルトのRJBB(関空)の夜間設定でコールド&ダークで開始します。

fs2333-smart-insight-off.jpg

この状態がスマートインサイトOFFです。

ではスマートインサイトをONにしてみます。

fs2333-smart-insight-1.jpg
スマートインサイト、レベル1です‥ぶっちゃけ、あんまし違いがわかりません‥‥

fs2333-smart-insight-1.jpg
スマートインサイト、レベル2。微妙に明るいかな?

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スマートインサイト、レベル3。やや明るくなってきました。

fs2333-smart-insight-4.jpg
スマートインサイト、レベル4。ここから急にハッキリと明るくなります。

fs2333-smart-insight-5.jpg
スマートインサイト、レベル5。スマートインサイトOFFではほとんど見えないコクピット窓近くのブラジルの国旗マークがはっきりと判別できます。単なるブライトネス調整と違って背景の空は暗いままで見たい部分だけが自然に明るく浮き上がっているのが判ります。

ところで「そもそも日本における定期便の運用においてはVFR(有視界飛行)は許されておらず、計器飛行しかできないのでスマートインサイトがあろうがなかろうが関係ないのではないか?」と、多くの方が疑問に思われたことでしょう。

ここで重要なポイントなのが、これがコールド&ダークスタート(エンジンがかかっていない状態からのスタート)だということです。キャビンの電気も消えて真っ暗なので、まず頭上にあるオーバヘッドパネルのバッテリーノブがどこにあるかすら良く見えないのです。

fs2333-fsx-overheadpanel-smart-insight-off.jpg

これでは間違えて電源の代わりに消化剤のレバーを操作して損害を出してしまうかもしれません。そんな間違いをしでかしてしまってはパイロットキャリアにも響きかねません。
※ちなみにこのアドオンでは消化剤のレバーは機能しませんが・・

そこでスマートインサイトの出番です!ほらこのとおり明るい!!

fs2333-fsx-overheadpanel-smart-insight-5.jpg

これで操作を間違えることもなく電気を点灯することができます。

結構ひさしぶりにプレイしたので、エンジン始動手順とかFMSのプログラム方法とかだいぶ忘れてましたが、PDFマニュアル辿りつつなんとか思い出しながらセット。

EMB170は日本でも導入が始まっているブラジルのエンブラエル社の70席の小型ジェット旅客機です。フライバイワイヤーやグラスコックピットを採用した近代的な設計の飛行機で、このアドオンソフトでもオートパイロットの操作やFMS(Flight Management System)を始め実機の主な操作を再現できます。

fs2333-fsx-emb170-cleared-for-takeoff.jpg

ヨーク(操縦のハンドル)が特徴的な形ですね。たしか退役した超音速旅客機コンコルドの操舵輪もこんな形だったと思いますが、どことなくヨーロッパの香りがします。

fs2333-fsx-emb170-toga-on.jpg

管制からテイクオフのクリアランスも出ましたので、久しぶりに飛んできます(この画像はスマートインサイトOFF)


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2012年09月03日

EIZO FORIS FS2333 来た見た買うた

サブ機で使っていた液晶がだいぶヘタってきたので、買い換えてみました。

むかし──といってもかなーり昔の話ですね──高級モニタだったらナナオ、という時代がありました。

業界の変化スピードが猛烈な今の時代、そういう類の神話もほとんど無くなってきた感がありますが、個人的にはまだナナオEIZOといえば"ちょっとエエとこのモニタディスプレイ"のイメージがあるオッサンの私です。そのエエとこのナナオの製品ブランドである EIZO の新しいモデルを購入してみました。

ちょっと調べてわかったんですが、今は液晶ディスプレイの価格競争ってものすごいんですね。

かつては高価格帯の商品しか出していなかったナナオも今はけっこう低価格帯に参入していて、この FORIS FS2333 は低価格帯のしかもPCゲーマーにターゲットした製品の最新モデルです。

私の場合メーカーが想定しているようなFPSのようなPCゲームをやるわけではないんですが、PCのフライトシミュレーターが趣味のひとつなのと、『手ごろな値段+それなりのスペック+ノングレア+IPS』という評価ポイントを抑えていったら自然にこの機種に決まってしまいました。

最近のディスプレイは、特に低価格帯でマルチメディアにターゲットしたものは光沢でつやつやピカピカのグレアタイプが主流なため、良さげなモデルはほとんど光沢タイプになってしまいます。そんな中、手ごろな値段・性能でノングレア(ツヤツヤじゃない)モデルなのは、ゲーマー以外にもけっこう訴求するんじゃないかと思うんですよね。

じつは似たような製品である三菱の RDT-234WX と最後まで迷ったんですが、最終的にお店の実機展示をみて画質が好みだったこちらに決めました。

23インチモニタなので、梱包パッケージはそこそこ大きさも重さもありますが、お店で持ち手をつけてもらえば電車で持って帰ることも可能です。‥ていうか持って帰りました。

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早速を箱をあけてみます。

fs2333-unbox-1.jpg

リモコンの電池、DVI-Dケーブルなど必要なものは一通りそろってますので、最近発売された普通のPCなら特に追加で買う付属品なしに箱出しですぐ使えるはずです。

HDMI, D-Sub でも接続出来る機種ですが、いずれもケーブルは付属しませんので、たとえば一昔前のアナログ接続しかないPCだったり(そもそもそんな時代のPCのグラフィックボードでフルHD出るのかも疑問ですが)、あるいはノートPCやゲーム機を HDMI 経由でつなぎたい等の場合は、それぞれのケーブルを別途用意する必要があります。

最近はマニュアル類をネットで公開していることが多く、この機種も公式サイトでセットアップガイドのPDFファイルを公開しているので、購入前に気になる付属品は事前にチェックすることが可能です。ホントいい時代になりましたよね。

fs2333-unbox-2.jpg

土台の組み立ては、梱包の発泡スチロールを利用して本体にダメージを与えないようにうまいこと設置できるような、気の利いた解説がついてくるんですが、私は間違って最初に箱を天地逆にしたまま開けてしまい、また説明の絵がいまいち分り辛くて方向とか確認するのが途中で面倒くさくなったので適当にひっぱりだして勝手に組み立てました。これから購入される方は、箱を開けるとき必ず側面の文字の天地が合ってるのを確認して箱の上面から開けるのがオススメです。

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土台を本体に差し込んでから土台裏にロック用のネジをねじこんでロックするんですが、このネジの折り曲げはけっこう硬いです。グィグィっ、パキッと力入れる必要があります。



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ロックしたら机に設置して、それから土台裏のピンを抜きます。このピンを抜くことでロックが最終的に完了するようです。

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抜いたピンはもう不要なので、土台をはずしてどこかに運ぶ場合に備えてどこかにしまっておきます(‥とかいって異次元に消失していまうパーツが後を絶ちませんが‥‥)。

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ポートはこんな感じ。HDMI x2, DVI-D, D-Sub, それにアナログのミニピンラインIN/OUTです。ラインのOUTは単にINから入ってきたオーディオを外に出せるだけの機能のようです(試してません)。マイク内蔵とかじゃないのでご注意。

たまに HDMI と DVI-D ポートが排他になってる機種がありますが、この機種の場合は HDMI x2 と DVI-D は独立で3系統同時に接続できるようです(もちろん3つ同時に表示できるわけじゃないですよ)。


裏のケーブルを纏めてウザくないようにする輪っかのパーツも付属します。色が赤なんですけど、普通に黒にすればいいのになんで真っ赤??まあ普段見えるわけじゃないのでどうでもいいですけどね。

fs2333-unbox-6.jpg

ちなみに上の写真のように先に輪っかをとりつけちゃうとモニタケーブルが輪っかを通りませんので、ケーブルをつないでから取り付けるのが正解です。

さて、設置完了しました。ふー。

fs2333-pronta.jpg

とりあえずサクっと試してみた感じではなかなかよさげな感じです。電源入れた最初、えらく暗い感じがしてこりゃー失敗したかと思ったのですが、出荷状態ではECOモードになっているので、これを解除して適当な明るさにUPすると眩しいくらいに明るくなります。

事前にネットで調べた情報ではバックライトのムラや漏れがある、ということだったのですが確かにあります。この機種の特性なのか、たまたまかはわかりませんが私のこの現物の場合は、パネルの下枠あたりがやや暗い感じになっています。また夜暗い部屋で全面に真っ黒の画面を表示すると、四隅を中心に若干バックライト漏れが見えます。もちろん普通に蛍光灯下でデスクトップ画面やブラウザ画面を表示している場合には、ムラやバックライト漏れはほとんど気がつかないレベルです。

この価格でこの程度のムラはごくありふれたもので、どうしても気になるならもっとお金を積む必要があります。何度も書いてますが私は映像にはあんまりこだわりないタチなので、これでも十分過ぎるくらいですね。

ちなみに液晶といえばどうしてもドット欠けのリスクを避けることができませんが、舐めるようにチェックしましたが今回は見つかりませんでした。

幸運にも、この5年くらい携帯・スマホ・モニタ・ノートPC・メディアプレイヤーなど液晶の製品を買ってみてドット欠けがあったことは記憶にある限り一度もありません。もちろんまだまだハズレクジを引く事もあるでしょうし、その場合に基本的には商品交換できないのは変わりませんが、歩留まりは確実によくなっているという実感がありますね。

私は液晶の出始めのころから液晶の大ファンだったので、PC用に液晶モニタを使い初めてもう15年くらいになりますが、初めて購入した液晶モニタではドット欠けが5個前後ありました。1024x768ドットモニタの時代です。解像度が低いとけっこう目立つんですよねー。そこから考えると今は本当に隔世の感があります。仮に1ドットくらい欠けてても全体が1920x1080ドットもありますからよほど注意しないと見えません。ぶっちゃけ使っててある日、急にドット欠けが発生してても、しばらく気がつかないと思うんですよね。まあ、毎日舐めるように画面の細部を見ないといけない仕事の人は話は別だと思いますが‥

この機種のレビューをネットで検索するとこんな情報もありました。『プロゲームチーム「Fnatic」との共同開発によってゲーマー向けの要素を強化』だそうですが、プ、ぷぷぷプロゲーマーって????そんなんできるんですか??という感じですが、とにかくナナオさんはこれをゲーマー向けとして相当プッシュしてるのが伝わります。しかしコストパフォーマンスが良く発色も悪くない、しかもノングレアモデルという点で個人的にはゲーム向けというより普通の作業用ディスプレイとしても結構オススメなモデルだと思います。


目玉機能の一つであるゲーマー向けスマートインサイトの実際の動作など、もう一回ぐらいレビューします。
posted by blogsapo at 04:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | モバイル・周辺機器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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