2013年06月19日

ブラジル各地での大規模協調デモについて

この件についてちょっとエントリ起こそうかと思ったのですが、私のような半可通のテキトー記事より、ブラジル在住のこちらの方のブログできっちりと正確なパースペクティブで、まとめておられますので、こちらを是非ごらんください。

"コンフェデ杯の影にもう一つのブラジル"
Caiu o mico さんのBLOG記事へのリンク

上の記事を読んでいただければお分りかと思いますが、このデモは直接的にはバスの運賃値上げに抗議する内容であり、その流れで慢性的に続く市民サービスの不足とブラジル政府の汚職・腐敗に抗議するものであって、一部新聞見だしにあるような「ワールドカップ抗議デモ」ではありませんが、"ワールドカップにお金を注ぎ込むくらいなら市民サービスを充実しろ!"ということでW杯も槍玉に挙げられているという訳です。

ちなみにブラジル国外でもデモを行なう動きがあり、日本でも今週土曜あたりに名古屋等でデモが行なわれる可能性があるそうです。

USA/ボストン、アイルランド/ダブリン、ポルトガル/リスボン、ロンドン、カナダ他で行なわれたデモの様子の写真(GLOBO サイト)

日本では本国ブラジルのような混乱はないと思いますが、こういう場合デモ本来の意図を離れて過剰な行動が行なわれるケースもありますので近隣の方は念のため注意しておくほうがよいかもしれません。


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2013年06月17日

Haswell搭載 SONY VAIO PRO 実機を触ってきました

いよいよ Haswell 搭載の Ultrabook やそれに準ずる軽量ノートのラインナップが各社から明らかになってきましたね。

そんな中でおそらく、今季の Haswell 軽量ノートPCのベストバイと目されているのが SONY VAIO PRO の新モデル群です。

SONY はハズウェルだのウルトラブックだの各社が薄型ノートPCに凝りだす以前から薄型・軽量にこだわりをもったノートPCのラインナップに気合を入れてます(たまに気合が足りないときもありますが…)。薄型・小型ノート大好きな私はこの3年間 SONY の VAIO Z(VPC-Z1)を愛用していますが、これは通常電圧版の Intel Core i7 プロセッサに nVIDIA のグラフィック・アクセラレータ GT330m を搭載して当時のスペック的にハイエンドクラスである上に、重量1.3kg 、厚み3cm強という軽量さを確保しているという名機でした。しかも2010年当時ノート用としてはまだ珍しかった1920x1080ドットフルHD液晶ディスプレイ搭載でその画面の繊細さには本当にカンドーしたものです。

新しい VAIO PRO シリーズは 11インチの VAIO PRO 11 と 13インチの VAIO PRO 13 に分かれていますが(じつに判り易いネーミング!)、いずれのインチでもフルHDのIPS液晶パネル搭載、 PRO 13 がバッテリー込みで1kgちょい、PRO 11 でタッチパネル無しだとなんと 770g という超軽量である上、平均厚み 1.3cm 最厚部分でも 1.7cmという信じ難いほどの薄さを実現しているにもかかわらずバッテリー駆動時間は10時間以上という、3年前に聞いたら卒倒しそうなモノスゴイ性能になっています。

正式出荷は今月6月22日からのようですが、はやく実物をオサワリしたい!という私のような新しモノ好きのために、大阪梅田のソニーストアでは実機を展示しているという情報を見つけましたので、さっそくお触りに行ってきました。ひやかしでなく具体的に購入も考えている、そういう目線で感想などをちょっと書いておきます。

大阪のソニーストアはハービスプラザという、ワタクシのような安物のビジネスバッグをもった貧乏人がうろうろしてると逮捕されるんじゃないかっていう感じのシックなファッションビル(1Fにはグッチとかティファニーとかコーチとかが入ってます)にある静かで落ちついたお店です。日曜でしたが、場所をあまり知られていないのでしょう(ワタシも今日初めて行きました)混雑もなく落ち着いてオサワリすることが可能でした。

- 外観について -

さっそく実機を手にとってみたところ・・・まず、とにかく軽い!!

1年くらい前でしたか、1kg を切る最軽量ウルトラブックの触れ込みで出てきた NEC の Lavie G type Z もかなり衝撃的でしたが、VAIO PRO はこれとほぼ同程度の重量でかつタッチパネルありでフルHD液晶です(Lavie は1600X900ピクセル・タッチなし)

軽い上に非常に薄いので PRO 11 などは手にもったときの感触が、薄型タブレットを持っているかのような感触です。もちろんクラムシェルなので開かないと使えないんですけどね(ちなみに閉じたままタッチパネルで使えるDUOシリーズも刷新されています)

外観についてですが、デザインにかんしてはさすがソニーという感じでクールでしかもシックな雰囲気にまとまっていて、かなり所有欲をそそるルックスです。

手触り、質感については価格相応の良い感じではありますが、突出して高級感があるという程ではなく今時のノートPCによくある標準的な材質という感触でした。ボディの色や筐体の部位によってヘアラインの有り無し・質感などが異なっていて、このあたりは好みが分れるところなので気になる人は一度は実機を見たほうが良いかもしれません。例えばシルバーは天板が NEC の Lavie G/Z のようなマグネシウムっぽいザラメのあるシルバーでヘアラインはありませんが、黒ボディはヘアラインのある天板でした。キーボードのパームレストはいずれの色もヘアライン有りですが、キーボードの枠部分はちょっと異なった樹脂っぽい質感でした。

画面については、IPS液晶パネルだけあってスクリーンを正面から見たときにムラなども感じられず、まずまず良質のパネルと見うけました。タッチインターフェイスのため基本的にグレア、つるピカの光沢パネルになりますが、タッチなしモデルの場合はノングレアパネルとなるようです。ソニーストアのタッチパネル無しモデルをやや老眼になりかかってるワタクシの両目が観察した感じでは、たしかにノングレアタイプのようでしたが、完全なつや消しではなくハーフグレア、やや光沢あるかな?ぐらいの感じでしたね。

静かで落ちついたお店なので、展示機のスピーカーを大音量で鳴らすわけにはいきませんので、小さなささやくような音量でスピーカーのチェックも試みてみました。というのは、私の愛用 VAIO Z (VPC-Z1)にもいくつか不満はあってその一つがスピーカーの有り得ない音質で、ココはちょっと気になってたんですよね。まあ薄型ノートPCのスピーカーに音質は期待しないし、してもいけない訳ですが、それにしても・・これがあのソニーか?というくらいの酷いスピーカーだったんですよ VAIO Z は。展示機の VAIO PRO 13 は小さな音でしか鳴らせなかったので判断は難しいですが、そこまで悪くは感じられませんでした。薄型ノートPCとしてはこんなものかな?という感じの平均的な音だと感じました。

- キーボード・チャタリング -

もうひとつ、VAIO Z で一番不満だったのがキーボードのチャタリングで、これ結構有名なんですけどメーカーは把握してなかったのか、してたけど基礎設計に問題があって根治治療ができなかったのか、VAIO Z シリーズの有り難くない伝統になってしまってました。

有志の方がチャタリングを常駐ソフトウェアでカバーするフリーウェア(その名もズバリ『Vaio Type Z チャタリングキャンセラー』、ソフトの開発履歴からして2009年のTypeZで既に問題があったことが分ります)を公開してくださってたから良いようなものの、これがなかったら本気で返品も考えるところでした(例えばパスワードの入力でチャタったりすると入力ミスに気がつかず何故かわかんないけどログインに失敗する、などという事が頻発しますので目茶苦茶イラつきます)。

今回おさわりに行った VAIO PRO シリーズは Type Z の後継ではないですがこの件は気になってましたので、店頭展示機でキー入力をチェックしてみましたが、チャタリングの件は大丈夫っぽいです。固体差もあるかもしれないので、3台の PRO 11/13 をそれぞれ100〜200文字程度試してみましたが、VAIO Z で頻発したようなチャタリングは見つけられませんでした。キータッチそのものも薄型にもかかわらず適度なストローク・返り・打鍵感があり、キーのピッチも十分で悪くないと思いました。

とりあえずここまでのところ、外観・モノとしての出来栄えについては文句なしに、現行 Haswell ウルトラブックで最良機種に認定してよいように思われます。

あとは実際のパフォーマンス、性能です。

-  Windows エクスペリエンス・インデックス -

ちょっと前のアーティクルでも取り上げたんですが、Haswell における統合グラフィック機能の高速化でインテルはPCゲーマーの取り込みも狙っているそうなので、VAIO PRO シリーズのグラフィックパフォーマンスがどれくらいアップしているのかも気になるところです。

私の場合モバイル機としてのグラフィックパフォーマンスが目当てで VAIO Z を購入した経緯があるので、ここがそれなりにアップして無いようだと仮に通常評価でベストバイであったとしても、購入はちょっと考えてしまいますね。価格もややお高いめですし・・・もちろんトータルで見ればそれだけの価格を十分払ってしかるべき機種なんですけどね。

Haswell の最大の売りは圧倒的な省電力性能であり、各社の新しい Ultrabook のスペックを見てもいずれもおよそ1.5〜2倍くらいのバッテリー駆動時間の伸びを見せていて、省電力にかんするインテルの売り文句がフカしでなかったのは間違いないようですが、グラフィックの高速化についてはまだ実機がほとんど出回ってないこともありネット記事でもはっきりした評価はあまり聞こえてこないようです。

実は、いち早く Haswell を搭載のノートとして既に販売開始されいている Macbook Air の新モデルのレビューを見る限り、グラフィック性能の高速化についてはあまり過剰な期待はできないような結果となっているようです(参考記事)。

もちろん、Windows と Mac という OS の違いはありますし、設計思想がそもそも違っていて Macbook Air では速度はこれ以上必要ないので今まで速度をキープしつつさらなる省電力を目指した結果なのだ、という事も考えられますが、そのほかネットに流れる諸々の情報などを総合してみても、モバイル向け Haswell 搭載の統合グラフィックの性能は以前の Intel HD Graphics 4000 に対し、2割から3割程度の性能UPというのが妥当な線なのではないでしょうか。

ソニーストアの展示機に勝手にモンハン・ベンチをインストールしたら怒られますので出来ませんが、 Windows8 にはおおざっぱな PC の性能を測るための簡易ベンチ"Windows エクスペリエンス インデックス"があります。

諸々のベンチマーク同様、これだけで性能が測れるというものでもないですが、この"Windows エクスペリエンス インデックス"は標準搭載されているおかげで、ネットを検索したときに大抵の機種での結果を得ることが出来ますので、購入に当って比較するときなんかに結構便利なんですよね。

というわけで、展示機の VAIO PRO 13 の"Windows エクスペリエンス インデックス"の各値をメモってきました。

プロセッサ 6.9
メモリ 5.9
グラフィックス 5.6
ゲーム用グラフィックス 6.2
プライマリハードディスク7.8

この値は展示されていた Intel Core i5-4200U(1.6GHz, Intel HDG 4400)でメモリ4Gのモデルの値ですが、15万円ぐらい支払って自分の所有物にしてから調整しまくればもうすこし良くなるかもしれませんし、ソニーストアのカスタマイズでさらに数万円支払って Core i7 + 8G メモリの構成にすれば幾らかパワーアップするはずです。

ちなみに、Core i7 搭載 8G メモリ構成のVAIO Zで、GT 330mグラフィックアクセラレータ有効のモードの場合 Windows エクスペリエンスは上記の展示機値と似たような値でグラフィックは双方とも6.4と VAIO Z が上回り、HDD(SSD)は若干劣る結果になります。この状態だと VAIO Z の通常バッテリでは3時間すら持ちませんので、同等性能で10時間もの長時間持続を果す Haswell 搭載 VAIO PRO の省電力性能はもの凄い進歩を遂げているというのは確かです。

バッテリーは圧倒的だし軽さ薄さやルックスなど総合的には非常に良くなってるのは間違いないのですが、ただ、速度性能にかんしてはたいして向上していないように見えるので、この値段を払うべきかどうかちょっと悩ましいところではありますね。もともと VAIO Z を所有していなければ、迷うことなく買い!なんですけどね。

先に述べたとおり、 Windows エクスペリエンスはごくおおまかな指標にしかならないので、今後実機のちゃんとしたパフォーマンスレビューが出てからまた改めて考えてみたいと思います。
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2013年06月15日

MP3/CD/レコード、音質が良いとブラジル人ミュージシャンが判断したのは?

今は mp3 を始め様々なフォーマットのデジタル音楽データを掌に乗るデバイス上で気軽にチョイスして再生できる本当に便利な時代になりましたが、利便性はともかく音質の評価にかんしては主観に頼らざるを得ない、従って個人の好みで左右されやすいというオーディオ特有の問題があるため、単純に『良い性能、良い技術』イコール『最良の音質』とは必ずしもならないのは、この方面に興味ある人の共通認識でしょう。

一般には、レコードやカセットテープのようなアナログよりもCDを始めとするデジタルフォーマットの方が音質が良く、デジタルでもmp3のような非可逆圧縮フォーマットの場合は圧縮率に依存するがおおよそ、アナログより良いがCDや可逆圧縮フォーマットよりは劣る、と考えられています。ただ、レコードにはレコード特有の性質(ジャケのような見た目や手触りのようなものも含む)があるので、今でもレコードが一番好きという音楽マニアの人も少なくありません。

イギリスのロックバンド、ザ・ローリング・ストーズのキース・リチャーズは、"MP3の音質には音楽ファンとして騙されているような気になる"と語り、本人は iPod のような携帯オーディオは持っていないことを明かしたそうですが、その話題を引用してブラジルのフォーリャ紙(Folha De S.Paulo)がちょっと面白い企画を記事にしていましたので、一部翻訳してご紹介します。

"Músicos elegem CD como melhor formato"
"ミュージシャン達はCDを最良のフォーマットとして選択"

FOLHA ONLINE の引用元記事
        :
「iPodは持ってないよ。今でもCDや本物のレコードを使ってる。たまにカセットテープとかね。良い音がするし、デジタルよりずっと良く聴こえるね」とキース・リチャーズは音楽関連誌に語った。

本当にそうなのか検証の試みのひとつとして、我々フォーリャは全く異なる世代・音楽スタイルを持つミュージシャンに集まってもらい、3つのフォーマット、すなわちレコード/CD/MP3の違いについてブラインド・テストを行なってみた。

ジョアン・マルセロ・ボスコリ(João Marcello Boscoli)のトラマ・スタジオ(Trama)での会合に参加して頂いたのは、クラシック指揮者ジョアン・カルロス・マルチンス(João Carlos Martins)、ロックバンドIRA!の元ボーカリストのナジ(Nasi)、そしてラッパーのハエウ(Rael da Rima)である。

オーディオ装置に背中を向いて3種類のメディアの音を聴いてもらい、それぞれどのフォーマットであるかを当ててもらう。

使用した音源は、カエターノ・ヴェローゾが1972年に出したアルバム、トランザ("Transa")から"You Don't Know Me"のトラックである。

再生した順序は MP3、レコード、CD の順であった。ナジとハエウは順序を正しく言い当てたが、ジョアン・カルロス・マルチンスは MP3 と CD を取り違えてしまった。

"もし MP3 が一番モダンなフォーマットなんだとしたら、私はCDのままでいいかな。CD の音が最も低音も高音も良くバランスの取れた音だったよ"とマエストロ・ジョアンは述べた。

ナジにとっては、低音のクオリティにおいてレコードとCDが最善と聴こえたようだ。"レコードの音をデジタル化したものはクオリティが劣る、というのが評価だ"と、ロックミュージシャンの彼はコメントした。彼の意見では、レコードからCDに移るときにいくらかのクオリティの低下があった、という。"でもね mp3 もだいぶ良くなってきてはいるんだ"

ハエウは MP3 に熱狂的に慣れ親しんでいるようだ。"MP3はそもそも軽量でファイルとして共有するのに向いているものとして出て来たんだよね。僕は MP3 がなくちゃ生活できないし、もちろん CD や レコードをディスってるわけじゃなくてそれはクオリティはすごく良いんだけど、だからと言って何でもかんでも物理フォーマットで持ってるってわけにはいかないからね"と、ハエウ。

ここで出てきたトラーマ(Trama)というスタジオの名前はブラジル音楽ファンだったらご存知の方も多いと思いますが、この名前は音楽レーベルでもあるんですけども、かのエリス・レジーナのために1975年にエリスの弟ホジェーリオ、当時の夫セーザル・カマルゴ・マリアーノ、弁護士らの共同経営の形で立ち上げた会社で、現在は1人目の夫ロナルド・ボスコリとの間の息子ジョアン・マルセロ・ボスコリと弁護士らの共同経営のレーベルです。

元記事の真ん中らへんに3人の顔写真付きでそれぞれのフォーマットについてのコメントの詳細が述べられていますが、それを見ますと実は3人の意見に大きな違いはなく、レコードは高音域のクオリティに優れ、MP3は音質の劣化がある、そしてCDは最も全体的にバランスよく纏まっている、と一様に述べています(なので結論としてはCDがバランス的に最良というのが一致した意見)。

マエストロ・ジョアン・カルロス・マルチンスは取り違えてしまいましたが、聴き取りに失敗したわけではなく単に MP3 というものに慣れておらず「最新テクノロジーは一番音が良いはず」という思いこみによる間違いのようです。

ラッパーのハエウさんについて検索しててこんな動画があったんで、何ですかこのハデハデな Windows のロゴは??と思って調べてみますと、この"Estúdio Windows"(ウィンドウズ・スタジオ)というのは何とマイクロソフト(のおそらくブラジル支部)と先に述べたトラマがコラボして作ったインターネット放送およびオンライン音楽サービスで、それのインターネット投票で一位を獲得したのがこのハエウさんだそうです(関連記事はこちら)。

一位とるだけあってラッパーであってもサウンド的にはやっぱりMPB的なナニかを秘めていて、これなんかもなかなか良い感じではないですか?

で、この"Estúdio Windows"ですが、ひょっとして知らなかっただけで日本や本国USAでもマイクロソフトが音楽レーベルとコラボしてこういうことやってるのだろうか?と思い"Windows Studio"などの検索ワードでひっかけてみましたが、出てくるのは有名なアプリ開発環境の"Visual Studio"のことばかりでソレっぽいものは見あたらないようです。マイクロソフトが資金的なバックアップをしてるけど企画は完全にトラマ側だったりするのかもしれませんね。

というのも実はトラマ・レーベルは早くからオンライン・ミュージックサービスに着目していて2004年よりトラマ・ヴィルトアウ(Trama Virtual)というブラジルのインデペンデント・ミュージシャン向けの音楽公開サイト・サービスを長らく手掛けていました。

ちょっと前のマイスペースだとか今のサウンドクラウドみたいなサービスをブラジル国内向けでやっていたわけなんですね。しかもサイトの企画とオーナがトラマ・レーベルなので、たんにネット上のサービスを提供するだけでなく、ライブやフェスタのような実際に人がステージで演奏する事にも積極的にサポートしていくようなサービスでもあったようです。最初の3ヶ月で600人くらいのユーザーを獲得してスタートした Trama Virtual は2008年には7万人のアーティストを抱えるまでに成長したのですがその後伸び悩み、今年の3月末でついにサービスを終了してしまいました。

そのサービス終了を惜しみつつ歴史を振り返るエスタード・デ・サンパウロのブログ記事がここありますが、記事の後半にこの Trama Virtual のユーザーだったアーティスト達のYoutube動画がありますので興味ある方はごらんになって下さい。
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2013年06月11日

仮想ジョアン・ジルベルトは本物か?

さて、6月10日はジョアン・ジルベルト先生の82歳のお誕生日でありました。日本ではもう日付けが変って11日になっていますが、本国ブラジルでは半日時差があるので今は10日の午後となります。

お誕生日おめでとうございます。

御大の記念すべき誕生日ではありますが、キャンセルされてしまった80歳記念コンサートの時のような動きも今年は全く無く、相変わらず衆目の元には一切出てくることもなく(おそらく)ご家族と一緒にただただ平和な一日を過ごされているのでしょう。

で、何か動きはないのかな?とインターネットを検索にかかってハテ?と気がついたんですが、ジョアン・ジルベルトの公式サイトってあるんでしょうか?

サクっと検索してみますと、Wikipedia を筆頭にアマゾン(といってもブラジルの大河のことではなく通販サイトのほう)だとかファン・サイトだとか出てきますが、どうもそれらしいものは見当たらないようです。

だったらフェイスブックとかはどうかな?と考えたところで、何年か前にこんな事件があったのを思い出しました。

名付けて『フェイスブック ヴァーチャル・ジョアン・ジルベルト事件』です。

"João Gilberto no Facebook? Perfil do baiano no site gera dúvidas e alimenta o mito"
"ジョアン・ジルベルトがフェイスブック?ジョアンのフェイスブック・プロフィールが疑惑を呼びまたひとつの伝説に"

O GLOBO の引用元記事

これは2010年の4月に投稿された記事になりますが、つまりジョアン・ジルベルトのフェイスブック・アカウントなるものが現れて、まるで本人であるかのように色んな事をコメントしたり演奏動画(新しいものではなくYoutubeとかにある古い動画ですが)をアップしたりといった活動を始めたんですが、これが本物かどうかで物議を醸したという事件です。

もちろんジョアンぐらいの人であれば、フェイク・アカウントの一つや二つ出てきてもちっともおかしくはないんですけども、この事件が興味深いのは、まず「内容がものすごく真に迫っていた」ということです。

古い友人や一緒に仕事した人でなければ知らないと思われる情報をちょいちょい出してくるので、たとえばダニーロ・カイミ(Danilo Caymmi)だとか, ジャキス・モレレンバウム(Jaques Morelenbaum)などは、たぶんこれは本人に違いない、と確信するに至った程だったんですね。

例えば、『ジョアン、声とギター("João, Voz e Violão", 2000年)』をディレクションしたセルジオ・カルヴァーリョ(Sérgio Carvalho)は「あのレコーディングの時にジョアンのお気に入りのピザ屋があったんだけども、この仮想ジョアンはその店の名前を知っていたんだ!!」という理由でこのアカウントが彼本人に間違いないと確信していました。

もちろんダニエル・ジョビン(Daniel Jobim)のように「これはフェイク(偽物)だよ」と言い切るミュージシャンもいましたが、例えば娘さんのベベウ・ジルベルト(Bebel Gilberto,ミウシャとの娘)でさえも「いや本人ではないとアタシは思いますけど、まあ可能性はありますよ、わかりませんけどね」とコメントしています。

もっと"社交的"な人だったら、本人に訊いて「ありゃニセモンや」と確認とってお終いなわけですし、そもそも社交的タイプなミュージシャンなら自ら積極的にソーシャルネットに参加してそうですけども、ジョアンはああいう人ですからまず普通には確認は取れない、仮に取れたとしてもホンマかな〜?実は裏をかいてこっそりうちらの反応みて楽しんどるのとちゃうか〜?みたいにどうも疑念を完全に払拭できないわけです。

そしてこの謎アカウントの活動が始まってから1年ほどした2011年、あるきっかけで『フォーリャ・デ・サンパウロ(Folha de São Paulo)』の記者がこの『仮想ジョアン・ジルベルト』に接触し真偽を確かめる機会をえることができたんですね。

"Facebook のジョアン・ジルベルトを名乗るネチズン"
"Internauta se passa por João Gilberto em perfil do Facebook"

Folha Online の引用元記事
      :

- DESABAFO(暴露) -

"Queria desabafar(ぶちまけたいんだ)"、私が15年住んだアパートを追いだされそうになってどれほど精神的に苦しんでいるか、パニックになって眠れないでいるかを。と、フェイスブックを通じてFolhaに接触を求めてきたのが、まさにこの『ジョアン・ジルベルト』だった。

しかしいったい本当に、これは彼本人なのだろうか?

"彼は'desabafar(ぶちまける、暴露する)'なんて単語は絶対使わないわよ"とジョアンの一番小さい娘の母であり現在の奥さんであるクラウジア・ファイソル(Claudia Faissol)は断言する。

ネルソン・モッタ(Nelson Motta)はこう言った。"なあ、ジョアンて人にかんする限り、有り得ないことは何もないんだよ。ひょっとすると本人だったりするかもしれないじゃないか。""とにかく確かめてみてよ。"

その日の夜に e-mail によるインタビューを行う段取りを整えた。

"君らを信用しないわけじゃないが、ちょっと不安なんでね。"とジョアンらしき人物。"Veja誌にいやがらせされたんだよ。バカにしたような記事を書かれてしまった。だからこれは e-mail のインタビューにしてほしい。"


こうして e-mail によってヴァーチャル・ジョアンと朝方までメッセージのやり取りが行われ(メッセージの全文はここで読めます)、件の立ち退き問題のほか大雨の被害の話題、サッカー、ヨガ、本、テレビ、そしてもちろん音楽など様々な話題が交されました。

さて、ここで名探偵の登場です。誰かな?なんとカエターノ先生(Caetano Veloso)です。
      :

ジョアンと同様に「夜行性(Notívago)」であるカエターノ・ヴェローゾはその時間はコンピュータの前にいるはずだった。

"カエターノ、こんなヘンな話でゴメンなんやけど、いま『ワシがジョアン・ジルベルトじゃ』っていう人物とメールのやり取りしてるんだけど、どう思う?"

するとカエターノから答えが返ってきた。カエターノによると、ジョアン・ジルベルトが e-mail アカウントを持ってるとか、コンピュータを使ってるとか、そんな話は聞いたことがないと言う。そしてメッセージを見せてくれ、と。

- 無学で若者 -


"もうやめたほうがいいだろうな。こいつはジョアンじゃない。"カエターノは断言した。"こいつは大きなミスをやらかしてる。'Carnaval da Vitória(勝利のカーニバル)'の歌詞だよ。この歌詞はね、第二次世界大戦を戦った兵士の歌なんだ。年齢はこの歌を理解する上でとても重要なのさ。だからこのメールを書いたのは、この曲のことを聴いたことがない、あまり学が無い、しかも若い人だね。"


ここでカエターノも興味を惹かれたのか自身も e-mail を通じたインタビューに加わり、最終的に「確認するために電話してもらう」約束をとりつけます。そして翌日、本当に指定の時間に電話がかかってきたそうです。

・・・背景でテレビの音がやかましく鳴っていた。その声は、どう見つもっても30歳がいいとこの人物のものだった(カエターノは正しかった)強いバイーア訛りがあり、ささやくような小声だった。"ジョアン本人だよ、記事を公にしてもかまわないよ。"と、それだけだった。

この電話の際に、ジョアンと非常に近しい友人であり興業主でもあるオタビオ・テルセイロ(Otávio Terceiro)氏が電話口で「警察に捕まえさせるぞ」と警告しているので、電話をかけさせたのはやはり「本人確認のため」ではなく始めからこういうマネを止めさせるためだった、ということでしょうね。

ちなみにジョアンの元嫁であり歌手のミウシャ(Miúcha)は後日"私の知る限り、本物のジョアンだったら『私が本人だ』なんて言うためだけに電話するような事は絶対ないわよ"と断言しています。

しかし、面白いのはそのミウシャさんですら、「でもねぇ、なんともいえないけど、でも全く有り得ない、とも思わないのよね。だってジョアンは予測不能な人だから」とも述べているんですね。

普通に考えるとどう見てもニセモノなんだけど、そのあまりに断定的にニセモノくさいところが、むしろひょっとすると本物かもしれない、なにしろジョアンはそういう人だから、という絶妙な疑念を呼び起こす結果となっているのが面白いです。

なお、フォーリャはエージェント等を通じて本物のリアル・ジョアンにコンタクトも試みているんですが、ちょうど件の立ち退き問題の事もありこの類のコンタクトには全く応じない状況だったので(というかいつもそうかも)失敗に終わっています。

これらの記事は既に数年前の話ですが、この記事に出てきた「仮想ジョアン」フェイスブック・アカウントが現在どうなったかは不明です。ただ、今現在 Facebook を検索すると『ジョアン・ジルベルト』のアカウント(どれも本人ではない)はいくつか出てきますので、どれかがソレかもしれません。

フェイスブックの他に私のショボイ twitter アカウントでもフォローしてるジョアン・ジルベルトの名を持つフェイクの twitter アカウントもあったりします(プロフィールを確認するとちゃんと「FAKE」と書いてあります)。

・・・と、ここまで来たところで今さらですが、ひとつ種あかしです。

先にオフィシャルサイトは無いようだ、と書きましたがこれが実はあったんです。google の日本語モードだと出てきませんが、これをポルトガル語モードでエリア設定をブラジルにして検索するとトップに出てきます。

João Gilberto Oficial

正確にはこれ、ブラジルのライブ関連のプロデュースをやっている会社『ショウ・ブラス(ShowBras)』のサイトのジョアンのページになりますので、厳密な意味での本人公式サイトというわけでもないですが、ファンサイトとかCDを買うためのサイトではない「契約するための窓口」としての公式サイトになります(但し現在はジョアンとShowBrasとの契約は切れているっぽいですが)。

このサイト、なかなか珍しい写真なんかもあったりしてジョアン・ファンなら一度は訪れて損はないんじゃないでしょうか(というか本物のファンなら今さらこんなブログで見なくても知ってるか・・・)。

で、日本語の Wikipedia には載ってませんが、ポルトガル語版の Wikipedia(ポルトガル語なんで正確には Wikipédia)のジョアン・ジルベルトの項目にはオフィシャルサイトリンクというのもありまして、それをクリックしますとこちらに飛びます→ JoãoGilberto.com

この『JoãoGilberto.com』のほうは、ただペラっと1ページ表示される中にいくつかリンク先があるだけのサイトで情報はほとんどありません。たぶんドメインを確保することだけが狙いのサイトと思いますが、下のほうに"Contact Showbras for booking"とありますので、これも公式サイトと見て良いでしょう(なにしろ仮想ジョアンの件があるので疑り深くならざるを得ない)。

そして今回のお話のオチがこれ。このページの下にある部分を読んで下さい。英語です。

"João Gilberto does not operate a social networking site.
All Facebook and Myspace pages for João Gilberto are FAKE."

"ジョアン・ジルベルトはソーシャルネットワーク・サイトは使っていません。フェイスブックとマイスペースのすべてのページはフェイクです。"


はい、結論です。 Facebook, twitter その他ソーシャルネット的なアカウントは全部ニセモンですよ、ということです。まあそりゃそうだよなあー、チャンチャン・・・と、落ちがつきそうでつかないのが、ジョアン・ジルベルトという人のミステリーです。そう、元嫁のミウシャさんや娘のベベウさんですら言ってましたよね・・・思いだしてください・・・

"ジョアンは、予測不能なんです。あらゆることが有り得る"

どうみてもフェイクにみえる Facebook の『ジョアン・ジルベルト』。ひょっとすると、あなたに返事をしてくるのは、ジョアンその人かもしれませんよ・・・
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2013年06月07日

アサイーの正しい綴りは・・?

今しがたたまたま見てたTV番組で『アサイー』の事が紹介されてました。

番組のナレーションによると今ちまたの女性達に『アサイー』が大ブームだそうですが、大ブームかどうかはさておき、確かに去年ぐらいからアサイー関連商品がやたらと増えたのは実感しますね。

以前もブラジル関連の店へ行くと出していたり、もっと一般的なタリーズ・コーヒーのチェーンでも扱ってたりしてましたが、ここ最近はコンビニだとか普通のスーパーなんかでもアサイー関連飲料を見掛ける事はそれほど珍しくなくなってきました。

最近見かける事が多いのは、フルッタ・フルッタのこのシリーズでしょうか。

frutafruta-suco-de-acai-varidade.jpg

ちなみにこれは梅田にある成城石井スーパーで購入しました。この大きさで1つあたり250円とドリンクとしてはやや割高な感じの商品ですが、果汁率が高くしっかりと味がついており、一回飲む分としてはこれより多いとむしろ飲みきれないと思います。

frutafruta-suco-de-acai-detalhe.jpg

このシリーズは色々な果汁で美味しい味つけがしてあって飲み易くなっているので、駅なんかの待ち時間にちょっと飲むのになかなかお勧めです。

アサイーの飲み方は色々ありますけど、アサイー本来のピュアな味は非常に濃い味なため、このフルッタ・フルッタのやつみたいに何かほかのジュースとミックスしたり、スムージーにしたり、ヨーグルトを混ぜて飲むのがオススメです。アスリートの方とかでピュアピューレをそのまま飲む、という習慣の人もいらっしゃいますがどちらかというと青汁的な健康飲料的な意味合いの飲みかたになりますね。

最近コンビニやスーパーでよく見かける、カルピスの『アサイー・ウォーター』っていうペットボトルのジュースというかスポーツドリンクみたいなのが売ってますけども、これは『アサイー』のエキスがちょっと入ってるもののほとんどアサイーの味はしません。薄味のブドウジュースって感じです。元々味の濃いジュースですから一般向けとしてはこれぐらいで丁度良いかもしれませんね。ちなみにワタクシの近所のスーパーにこれが100円くらいで売っているので大量購入して水がわりにいつも飲んでます。

ところで、アサイーという単語の綴りですが、これ正確には "açaí" となります。c にヒョロッとヒゲがついている字 "ç" はセジーリャ(cedilha)という文字で、これにより"ça"を『サ』と読むようになります。スペイン語だと z に置き換わることが多い文字です(例: ポ=cabeça(頭) → 西=cabeza, ただし açaí の場合は asaí か azaí, acay 等バリエーションあり)。

これがもしヒゲ付きでない普通の"c"だった場合、"ca"は『カ』と発音します。あと、"í"の文字の頭がちょっとハネてるのはこれはアセント・アグード(acento agudo)と言って、ここに発音上のアクセントを持ってくる印です。

『アサイィーー』って、なんでうしろの音のばしとんねん、イキっとるんか?と思ってしまうかもしれませんがイキってるワケではなく "i" のところにアクセントを付ける記号があるから、そう読むわけなんですね。

印刷上の都合などから日本のお店で(というかたぶん世界の非ポルトガル語圏ならどこでも)しばしば特殊記号なしで "ACAI" と綴られてるのを目にしますが、発音上のルールを厳密に適用すると "ACAI" では『アカ〜イ』という発音になってしまうんですね。とはいっても普通は絵が描いてあったり、そもそも飲み物の店であったりするでしょうから、たとえ"ACAI"と綴ってあっても誰も勘違いせず『アサイー』って判ると思いますけどね。
posted by blogsapo at 22:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ブラジル飯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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