2013年11月17日

ハイレゾ・ウォークマン NW-F886 を買うてみたぞ

以前ここで「ポータブルオーディオについてはもう、ソニーはやる気ないんちゃうか」みたいな事書いたのですが、すみませんソニーに土下座して謝ります。どうやら最近のソニーさんは覚醒しつつあるようで、このところ各分野でアレやらコレやら意欲的な商品をやたらと展開していて、オーディオにおいても"ハイレゾ・オーディオ(Hi-Res AUDIO)"を旗印にした一連の戦力を投入し気合の入った攻撃をしかけている模様です。

最近デジタルオーディオ界隈でよく耳にするようになった『ハイレゾ音源』ですが、これはいったい何ぞやと申しますと実のところ「高解像度ディスプレイ」なんかと同じ宣伝文句の一種なので、規格化された明確な定義というのは無かったりするんですけども、一般に「CD音質を超えるスペックのオーディオ」を差すとされています。ソニーの公式サイトでも自社の"Hi-Res AUDIO"とは「CD(16bit/44.1kHz)を超える高音質オーディオのこと」と定義しているようですね。

今年12月にはハイレゾ・ウォークマンのフラグシップモデルと言うべき ZX1 の発売が控えているのですが、そのリリース前に昨年度モデルのウォークマン NW-F800 シリーズの後継となる NW-F880 において、このソニー・ハイレゾ・オーディオ戦略の心臓部であるところのデジタルアンプ"S-Master HX"を搭載してきました。

フラグシップモデル ZX1 のほうの小売価格は7万5千円程度になるようですが、こっちはミッドレンジのウルトラブックが買えそうな値段だけあって同じ S-Master HX アンプでもアナログ部分がより高音質を目指したものになっていたり、容量も 128GB と大容量になっています。見た目も値段相応に高級感のあるデザインになっていて、旧 Z シリーズの NW-Z1000 よりは軽くコンパクトではあるものの NW-F880 にくらべるとやや大柄なボディとなるようです。

このように ZX1 はフラグシップモデルにふさわしい貫禄のあるスペック/デザインなわけですが、2年前 NW-Z1060 を購入したとき「ガタイがデカすぎる!!」とサイズについて散々酷評したワタクシとしては、昨年度に発売されグンとコンパクトになった Android Walkman である NW-F800 には実のところだいぶ食指を動かされかかっていました。…が、昨年の F モデルはAndroid の端末的にもオーディオ性能的にも NW-Z1060 と同等か劣化版にしかなっていなかったので、購入は結局見送ってしまいました。

…で、今回の NW-F880 の登場です。NW-Z1060 の大きさにも慣れてしまい音的にも不満はなかったのですが、もし性能が更新されてさらにサイズもコンパクトになるならそれに越したことはない…というかむしろ、そういうものが欲しかった。私の NW-Z1060 バッテリもだいぶヘタってきてますし、これは買うしかッ……!!

というわけで購入しました。

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今まで使っていた 32G の Android Walkman Z で特に不足を感じなかったので、今回も 32G を選択、ボディカラーは白にしてみました。最初は黒かなーと思っていたのですが、店頭で実機を手にしてみるとブラックは背面についた指紋がちょっと気になる感じだったので止めました。

本当はハイレゾ音源を再生することを考えるなら容量はがっつりと必要になってくるのですが、記事冒頭からハイレゾ、ハイレゾと連呼しているわりには個人的に音源ソースとしてのハイレゾにはさほど興味のないワタクシです。

…いや、ホンマはむっちゃ興味はあるんですけど、そもそもハイレゾ音源って自分で用意するモノではなく(できない事はないが、あまり意味はない)音楽コンテンツの配信側で用意してもらわないといけないんですけども、ソニーさんの新戦略としてまだ始まったばかりということもあり、まだまだラインナップが充実しているとは言えないようです。一応おおざっぱにソニーの音楽配信サイトを検索もしてみたんですが、一番ありそうなボサノヴァの古典的名盤関連ですらハイレゾ音源版を見つけられなかったので、仮にソニーのハイレゾ戦略が順調にいったとしても私的に欲しいコンテンツが充実してくるには正直まだ数年はかかりそうな雰囲気です。

- 何故ハイレゾなのか -

そんじゃ、今までと同じ有りもののファイルを再生するんだったらハイレゾ対応デジタルアンプにしても意味ないんでは…? たしかにもともとの音源ファイル自体から全部をハイレゾ化するのが理想ではありますが、今までと同じファイルを再生する場合においてもアンプが高解像度化する事に意味が無いわけではありません。簡単にいうと『大は小を兼る』という側面があるんです。

元の音楽ファイルが mp3 だったり flac だったり wav だったりどんなフォーマットであるとしても、最終的にアナログの音波形になって出てくる前に一度デジタルデータからアナログ波形に変換する回路に入ることになりますが、これがいわゆる DAC (Digital-Audio Converter) およびデジタルアンプと呼ばれるもので、この回路の性能いかんで出音の質がかわってくるわけです。近頃はパソコンに外付けの DAC+アンプをUSBで接続してオーディオ・システムを構築するのがちょっとしたブームになったりしてますよね。

で、ウォークマン NW-F886 の場合その機能を受け持つのがまさに売り文句であるところの "ハイレゾ音源対応 S-Master HX" というわけですが、再生しようとしてる元の音楽ファイルが同じであっても、ハイレゾ対応でないこれまでの S-Master と違い S-Master HX ではハイレゾ相当のより高ビット、高レートのデータを受けいれることが可能になります。つまりデータをハイレゾ相応に補完して拡張したデータにして入力すれば元データがハイレゾ音源マスタリングされているものほどでなくても、ある程度の高音質化が期待できることになります(もっとも、アップサンプリング処理は原音データに無いものを加えるので良くない、という"ピュア"な意見もあります)。

ハイレゾでない旧モデルのウォークマンにも "DSEE" という圧縮オーディオに対して失われた高音域を補完する機能がありましたが、同様な発想でハイレゾでない既存音楽データに対してハイレゾ音源データ相当になるように補完処理しよう、という考えです。言うまでもないことですが、ハイレゾ化補完処理をいくら頑張っても入力されるDAC側にハイレゾデータを受け入れるキャパシティが無い場合は、結局またCD相当のデータにダウンコンバートしてからDACに入力するしかないので、何やってんだかさっぱりわからない骨折り損のくたびれもうけとなってしまいます。しかし『大は小を兼る』S-Master HX ならそういうことを色々とやれる可能性がある、というわけです。

ちなみに"そんなことができる可能性"みたいに語ってますが、なんのことはない NW-F880 シリーズの宣伝文句の一つとして掲げられてる "DSEE HX" というのがまさにソレそのものなんですが、現状ではまだ実装されておらず、ソニーのアナウンスによると 12月に予定されているアップデートにて NW-F880 シリーズに提供されるようです。ひよっとして ZX1 の発売と同時ぐらいなんでしょうかね?

この『大は小を兼る』効果の他にも NW-F880 の S-Master HX の解説を読むと、アンプのアナログ回路自体にも改良を施しているようなので、ハイレゾ処理とか無関係に普通にナンボか昔の S-Master より音が良くなっているのは確実と考えられます。

さてさて能書きはこれくらいにして、さっそくその S-Master HX の実力を聴いてみるべく開封の儀の開始です。

- 開封の儀 -

発売直後の購入特典でしょうか、2つオマケがついてきました。

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ソニーの音楽配信サイトの mora の250円分の無料券と、液晶拭きです。非売品だそうですので液晶拭きは棚にしまっときますかね。ひょっとしたらプレミアつくかも…(無理)。

NW-A846 はマレーシア製、NW-Z1060 は Made in China でしたが、NW-F886 は Made in Malaysia に戻っています。

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Z の時と比べるとえらく貧乏くさくなった化粧箱をなにげなく眺めていたら…

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うぉおおおーっ!!なんですかこれは!!

ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)"FIFA WORLD CUP BRASIL 公認 MP3 Player" ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)

ですってよ!!! 素晴しすぎます。もうこれ見た瞬間に、私がコレを購入するのはいずれ運命付けられていたのだというのをはっきりと悟りました。

ま、冷静に考えたらFIFA公認 mp3 player て意味がようわからんのですけど…そんなことはいいんです!!

それにしても箱を家であらためて見るまで全然気がつきませんでした、ホンマ偶然です。こうなったからには、ここからはウォークマン全面プッシュでいきます。皆さん、ポータブルオーディオプレイヤーならハイレゾウォークマン買いましょう。特にブラジルが好きなアナタ!そう、アナタですよ!!

…化粧箱眺めるだけでアホみたいに異様にテンション上がってしまいましたので、カルピス・アサイ・ウォーターを飲んで落ちついてから…

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…開封しました。

今回から同梱のノイズキャンセリング・イヤホンが変更になったようです。

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NW-A846 も NW-Z1060 も(私は所有していませんが NW-F800 シリーズも) MDR-NC33 が同梱されていましたが、今度の NW-F886 同梱品の型番をみると MDR-NC31 となっています。2ほど数字が減ってるのがやや気になるところではありますが…まあ今までと同等品とみて良いでしょう。

ジャックのところには NW-F800 同様に、WM-PORT のカバーキャップがついてます。これは地味に便利そうですね。

nw-f886-unbox-earphone-wmport-cap.jpg

この頃のこういう感じのデジタルガジェットには珍しく、これでもか、というくらいの取説一式がついてきます。

nw-f886-unbox-manuals-all.jpg

nw-f886-unbox-manuals-1.jpg

かなり細かいことまで立ち入って書きこまれているので、Android Walkman を初めて使うような人でも真面目にしっかり読めばひととおり使えるようになっています。ひと昔まえの良質な日本の家電製品みたいで、これは好印象ですね。

これまでのウォークマンと同様、一般のアンドロイド端末と違って普通の microB や miniB の USB ソケット ではなく、WM-PORT というソニー独自の USB ソケットで接続しますので、そのケーブルが付属します。

nw-f886-unbox-wmport-cable.jpg

充電器は付属せずこの WM-PORT ケーブルでパソコンの USB ポート、あるいは別売の USB 充電器に接続して充電します。別売の USB 充電器は SONY から正式な対応アクセサリーが出ていますが、量販店で売っている適当な USB 充電器でもたいていは使えます。ただし、USB 充電は容量などの条件があるので、もしうまく充電できなかったりしたときには SONY にキッチリとクレーム入れないと気がすまないような場合は SONY 公式アクセサリを購入して使いましょう。なお、サードパーティ充電器はあまり粗悪なものだと火災の原因になったりしますので、あまりにチープすぎる品はやめたほうが無難です。

私は毎度のように、これ(Simplism DUAL USB Air)

simplism-dualusb-air.jpg

を使ってみましたが、無事充電することが出来ました。

見た感じでは付属 USB ケーブルはこれまでの非ハイレゾ機に付属のものと同等品に見えます。今回の NW-F880 からは WM-PORT からハイレゾ用デジタル音声出力が可能になっている筈なんですが、そういう用途の際には付属のケーブルではなく SONY WMC-NWH10 という変換ケーブルを間にカマすようです(つまり接続側の機器に付属しなかったら別途購入しないといけない)。

ためしに、同梱品ではなく NW-A846 に付属してきた WMPORT-USB ケーブルを NW-F886 に繋いで充電に使ってみましたが、普通に充電できるようです。ただし、毎度念押しで書いてますが、こういうのはたまたま使えてるように見えるだけでほんとうは何か恐しいことがちょっとずつ進行していて、ある日突然大爆発しないとは言い切れませんので、細かいことが気になる人は素直に付属品をマニュアルどおり使いましょう。

じつは USB ケーブルもイヤホンも NW-A846 の付属品をずーっと NW-Z1060 で使い回してきたんですが(なので Z の付属品は新品で箱に入れたまま)、イヤホンも WM-PORT ケーブルもとくに断線するようなこともなく3年間普通に使えています。以前使っていた iPodTouch に付属のケーブルは一年もするとケーブルの付け根がグダグダになって被覆がズルムケになってましたが、一般の"ソニータイマー"という不名誉なイメージにもかかわらず、ウォークマンの付属品は意外に頑丈にできているようです。

付属品の話はこれくらいにして、いよいよ本体です。

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平面形の面積はけっこうあるんですが、薄さと軽さのおかげで手に持った感じは、かなりコンパクトな印象です。これならギリギリ胸ポケットにも入れてもいけそうですね。

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あちこちでさんざん取り上げられてますが、アンドロイド・ウォークマンとして初めて再生/停止/送り/戻しの物理ボタンが付きました。うむ、これは良い!! これでいちいち取り出してタッチパネルで操作しなくてもプレイヤーをコントロールできます。

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底のジャック等がある部分のデザインがややメカメカっぽい感じになり、白モデルは黒いネジがけっこう目立ちますがワタクシ的にはこの雰囲気は嫌いではないです。画像の右の穴はストラップ穴です。

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背面です。ウォークマンのロゴの部分はスピーカーのようです。全体にソツなくまとまったエエ感じのデザインと思います。右下のピンホールみたいなのはリセットボタンです。フリーズしてどないもこないならんようになったときに、ヘアピンの先とかで押します。といっても私は NW-Z1060 でリセットボタンを使った記憶は一度もありません(フリーズして10秒ぐらいしてから勝手にリセットしたことは何度かある)。

全体の質感は悪くはないですし、チープ感はありませんが高級感溢れるというのとも違います。安くないカジュアルな感じ、というところでしょうか。筐体はアルミを使っているそうですが、手触りがたしかにプラスチックと違います。3万円のガジェットとしてはなかなか好印象、といったところです。

恒例の大きさ比較やってみました。

nw-f886-comparacao-dos-tamanhos.jpg

所持している iPod Touch は3年以上前の4世代です。現行モデルはもっと薄くスリムな縦長デザインに変っています。

NW-F886 は Walkman Z より薄くなっていますが、 NW-A846 (非アンドロイド機)よりは厚みがあります。

nw-f886-comparacao-das-espessuras.jpg

電源を入れてみました。すっかり見なれたウォークマンのロゴがお出迎えです。

nw-f886-unbox-switched-on.jpg

NW-A846 や NW-Z1060 との聴き比べなど、2,3回に分けてレビューしてみたいと思います。


posted by blogsapo at 03:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | モバイル・周辺機器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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