2013年09月18日

ASUS U38N レビュー#3: SSD とメモリ換装でえらい目におうた

ASUS の AMD 搭載ウルトラブック風味薄型ノート VivoBook U38N のレビューその3です…が、レビューというより中を開けて SSD とメモリを装着した顛末です。

ググルさんで検索して見つかる U38N を個人で購入された方のレビュー記事を見るとたいてい SSD とメモリを換装されていて、元の内蔵 HDD が低速なこともあってか使いごごちがかなりアップするという話が多いですが、ワタシはそういう作業が面倒なのと、あんまりこれにお金をつぎ込みたくなかったので当面は換装する気はなかったんですね。

実際しばらく使ってみたところたまに HDD アクセスでカクッとひっかかるぐらいで、こんなもんかなと速度的にはあまり不満はなかったのですが、一つだけどうしても気になる事があり辛抱できず結局 SSD に換装してしまいました。

U38N を使ってみて良い方に想定外だったのが内蔵スピーカーの音で、この手の薄型ノートとしては結構良い音がでます。知らなかったのですが ASUS って PC オーディオにもかなり注力してるみたいですね。ZEN BOOK と同じくこの U38N も「Bang & Olufsen ICEpower」とコラボレートした技術が使われているそうで、しっかりとステレオ感があって聞きやすい非常に抜けの良い音がします。痩せ細ってスカスカの旧 VAIO Z とは雲泥の差です。

それでボディが音をよく響かせるように設計されているせいなのかもしれませんが、HDD のアクセス音も結構よく響くのが気になってしまいました。音量的にはかすかな音で気にしなければ気にならない(?)レベルですが、静かな部屋ですと「…コン……コリリッ…」と耳障りな鳴りかたをします。人によって耳障りな音の基準は違うと思いますが、ワタシの場合はバックグランド的な持続ノイズ(例えばテープのヒスノイズ)はあんまり気にしないんですけど、不定期にクリックのように鳴る音にはイライラして耐えられないクチです。なんとか無視して耐えようとしましたが耐えられませんでした。

というわけで、ググって見つけた先駆者の方々の記事を参考に必要なモノを買い揃えました。ついでなんでメモリも増設しとくか、という感じで CFD の8GB のメモリも追加です。っていうか最近メモリ値上りしてますね。もうちょっと早く決断しときゃよかった…。

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マウント部のスペースの都合で U38N には 7mm 厚タイプの SSD しか入りません(9.5mmの場合はケースをバラしたり工夫が必要)。こういう事は先駆者にならうのが確実なので、動作報告があって一番コストパフォーマンスがよさそうな SAMSUNG 840 シリーズの 250G SSD MZ-7TD250 にしました。サムスンのこのシリーズは TLC タイプのため寿命が短いと言われていますが、U38N を何年も使い倒すようなことにはなるまいと判断しました。

U38N はリカバリディスクが無くリカバリ区画が HDD の中にあるタイプなので、まず HDD の Windows8 システムを SSD にクローンコピーする必要があります。この作業で間違えて HDD のリカバリデータを破損すると ASUS の工場送りになりますので注意します。

Windows8 ではセキュアブートに対応した BIOS を搭載した PC でしか起動できなくなりましたが、その関係でクローンする際もセキュアブートを OFF にしておく必要があります。U38N の場合は起動時に[F2]キーを押しっぱなしで BIOS メニューに入り、Security メニューの I/O Interface Security で設定します。

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セキュアブートを切ったら、こういうやつ…

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…を使って新品 SSD を U38N の USB に接続し…

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…SSD が未初期化の場合は初期化をします(コントロールパネルから「管理ツール」→「コンピューターの管理」→「ディスク管理」→不明ディスクを右クリックして「初期化」)。

SSD を外部ドライブとして認識できたら、これにシステムをコピーしますが普通にコピーできるわけじゃないのでクローンツールというものを使います。こちらの記事を参考に Windows8 にも対応の EASEUS todo backup 5.6 free というツールを使いました。

システム区画のクローンを完了したら、いよいよ中を開けて HDD と SSD を入れかえます。

SSD やメモリを装着するには本体の裏ブタのネジをはずす必要がありますが、U38N はタブレットなんかに使われるトルクスネジ(星型)のためトルクスドライバー(T5)が必要になります。私は昔ジョーシンのワゴンセールで500円くらいで買った精密ドライバーセットにたまたま入ってたのを見つけて使いました。

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面倒くさがりの性格なので、保証書なぞまったく読んでませんがフタを開けたこの時点でおそらくメーカー保証は受けられなくなっているはずです。

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手前のバッテリユニットを固定しているネジは全部外す必要がありますが、バッテリユニットを完全に取りはずさなくてもちょっとズラして作業すれば HDD ←→ SSD の取り付けが可能です。

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HDD より SSD のほうが軽いので換装するとナンボか本体重量が減るはずですが、実際に計測してみました。

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88g → 54g なので 34g 軽量化されることになります。ま、1.5Kg over の本体重量からすると誤差の範疇ですね。

HDD のマウント金具をはずして SSD に付けかえたらそれを U38N に取りつけます。

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U38N は標準でメインボードに 2GB、そしてスロットに 2GB で合計 4GB の総メモリですが、スロットのメモリを 4GB に差し替えることで合計 6GB まで増設できる、とスペック表にあります。しかしネットの先駆者の方々はたいてい 8GB を差して合計 10GB として問題なく使えているようなので私もそれにならいました。

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スロットからはずした元々のメモリ。SK hynix のメモリのようです。

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一気に全部やったように書いてますが実際は先にメモリをテストして起動を確認してから SSD 換装をやっています。こういうことは面倒でも個別にやったほうが問題が起きたとき苦労が少なくなります。

すべて完了して使ってみると、あの耳障りな HDD アクセス音は消えてアプリの起動やら Windows の起動も猛烈に速くなってすこぶる快適になりました。メモリ増設の効果もあってか時々あったカクつきもほとんど無くなりこりゃみんな換装したがるわけだ、と納得です。

…と、ここまでトラブルもなくうまくいったので安心していたのですが、システムを最新の状態にしようとドライバ更新などをやりだしたのが運のつき。エライ目にあってしまいました。

AMD のパソコンではチップセットや GPU 周辺を統合してコントロールするドライバとして Catalyst Control Center というのをインストールしますが、これを AMD の公式サイトにある最新のモノ(もちろんモバイル用で U38N の GPU 型番に合致するやつ)に更新してみたんですね。じつは注意書きにちゃんと「PCベンダーのマシンでは問題がおきることがある」的なことが書いてあったんですけど、まあ大丈夫だろうトラブッたらドライバを戻せばいいやと軽い気持でやっちゃったわけです。

ドライバ更新後に使ってみて特に問題もなく 3D アプリもうまく動いているように見えたんですが、FlightGear を起動してみたら…

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…こんなふうになっちゃいました(正常な表示は前回の記事参照)。FlightGear の現行バージョンでは AMD のグラフィックボードで表示が乱れるバグがあるんですがもちろんそれは対処していますし、見た目もそのバグによる不具合とは違うものです。

SSD に換装したのが原因とは考えにくいので、やはりドライバ更新がいけなかったとしか考えられない…というわけで、ドライバを戻そうとしたんですがここで問題発生…!!

いちおうCCC(Catalyst Control Center)をアンイストールしてオリジナルの古い版をインストールもできるし、Windows デバイスマネージャでのドライバの書き戻しも可能なんですがそれをやると何故か CCC のメニューがおかしくなり、項目がほとんど消えてしまいます。CCC の機能のほとんどはどうでもいいようなものか別の設定からでも操作できる項目ですが、ノートPCの場合は外付けのモニタと違い液晶のカラー調整やコントラスト他は CCC からしか設定できないため(Windows標準の機能もあるが細かい設定が出来ない)、CCC がまともに使えないのはちょっと痛いです。

こりゃ SSD 取りはずして HDD からのクローンからやり直すしかないのか面倒くさーっ!! と四苦八苦、悪あがきした挙句やっとこさこういうものを見つけました。

AMD Catalyst Un-install Utility

これは本来は、相当に古いバージョンからごく最近のドライバに移行する際の問題を解消するため AMD が提供しているツールで、通常のアンインストールでは部分的に残ってしまうようなゴミファイル、レジストリ設定なども完全にすべて除去してくれるモノだそうです。

ちょっと気になるのがこのツール Windows7 専用というところ。何やら強力そうなツールなので Windows8 の U38N でやるといよいよ完全に起動しなくなる可能性がありそうですが…現状ではどの道クローンからやり直すしかなさそうな感じなので、ダメ元でこのツールを使ってみることにしました。

こちらの方の記事を参考に完全アンインストール作業を完了。再起動すると今までと異なり見るからに描画がのろくて Windows 標準グラフィックスドライバの表示になったのは明らかです。これはひょっとしてうまくいくかも…と期待しつつ ASUS の公式サイトから DL 済みの U38N 専用版ドライバをインストール。再起動。結果、どうやら元に戻せたようです。CCC もちゃんと動くし FlightGear も不具合の無い表示に戻りました。めでたしめでたし…

…ん?あれ?なんかおかしいぞ。

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なんだかよくわかりませんが、Windows エクスプローラーの表示の一部が英語になっちゃいました。CCC のシェル統合部分をアンインストールする処理の都合でこうなっちゃうのかもしれませんね。ロケールとか再インストールすれば元に戻りそうな気もしますがもう面倒くさいので放置です。やれやれ、必要もないのに余計な更新なんかするもんじゃないですね。
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2013年09月02日

ASUS U38N レビュー#2: FlightGear で遊んでみた

ASUS の AMD 搭載ウルトラブック風味薄型ノート VivoBook U38N のレビューその2です。

事前にネット等で調べた範囲では、U38N の APU A10-4655M に統合されている GPU の性能は、3年間ほど使い倒した SONY VAIO Z に搭載の nVidia GT330m と同等以上という情報でした。

実際のところどうなのか VAIO Z と比較しながらテストしてみたいと思います。

VAIO Z は発売当時驚異的な薄さの中にハイスペックを盛り込んだ SONY の本気度が見えたモデルでしたが、U38N も VAIO Z より若干大きめながら、なかなかコンパクトに仕上がっています。

asus-u38n-comparacao-com-o-vaioz-tamanho.jpg

並べてみると、U38N のほうが平面寸法ではやや大きく厚みではやや薄い、という感じです。重量は VAIO が 1.3kg に対し U38N が 1.5kg と重いですがそのぶん AC アダプターはコンパクトになっていて実用上の持ち運び重量はそんなに変らないかもしれません。

CPU のコア当たり速度性能ついては完全に VAIO Z の Intel Core i-7 プロセッサのほうが上まわっており、試しに Handbrake を使って動画のエンコード、具体的には後述の Youtube にアップした自作の動画ファイルを iPhone & iPod touch プリセットで変換するという処理を U38N と VAIO Z で実行してみたところ、VAIO Z が5分10秒ぐらいで完了するところを U38N では8分15秒ぐらいかかりましたので、この例では U38N は VAIO Z の6割程度の速度しか出ないことになります。

動画処理では処理対象の動画フォーマットにおいて動画支援が効くかどうか、デコード/エンコード用のソフトやドライバの出来でもけっこう結果が違ってきますので一概には言えませんが、U38N は正直あまり動画編集やエンコード用には向いていない、少くとも VAIO Z よりはだいぶ劣るというのは間違いなさそうです。このへんの事情は最近の低電圧 Intel Core-i7 ウルトラブック等と比較しても同様と考えられます。

U38N に搭載されている A10-4655M はこのように CPU が非力なかわりに 3Dグラフィックス機能(GPU)においては Intel系の内蔵グラフィックスを大きく引き離すパフォーマンスを発揮します。

- モンハンベンチ比較 -

とりあえず、ネットにもよく情報が転がっているモンハンベンチ「大討伐」を VAIO Z と U38N で試してみました。

VAIO Z - 1024x600 フルスクリーンモード
mhf-bench-1024x600-on-vaioz.png

U38N - 1024x600 フルスクリーンモード
mhf-bench-1024x600-on-u38n.png

VAIO Z - 1920x1080 フルスクリーンモード
mhf-bench-1920x1080-on-vaioz.png

U38N - 1920x1080 フルスクリーンモード
mhf-bench-1920x1080-on-u38n.png

VAIO Z はハイスピード・モード、U38N はハイ・パフォーマンスでの実行結果ですが、U38N は高速モードで動く VAIO Z よりも3割程度良いスコアになっています。また前々回紹介したこちらの情報と同じ条件の 1280x720 ウインドウモードの場合は以下の結果になり、最新の Haswell Core-i7+Intel HD Graphics 5000 の VAIO DUO よりもさらに若干上まわる値が出ています。

U38N - 1280x720 ウインドウモード
mhf-bench-1280x720-windowed-on-u38n.png

ワタクシが何故 GPU 性能にこだわるかというと、パソコンの用途として通常の使用用途の他に趣味のフライトシミュレーターを遊ぶというのがあって、たとえノートPCでもできればインストールしてそこそこ遊べるようにしておきたいからっていうのが第一の動機なんですが、その他にもうひとつ、これは主観的な感覚レベルの話になっちゃうんですが経験上、多少計算性能が遅くてもグラフィックスの描画性能が良くて滑らかに表示できるとコンピューターの使い勝手が良くなった印象を受けるというのがあるんです。

例えば何か画面上のボタンを押して、その瞬間から0.1秒で処理が終わる代りにその0.1秒間は画面が停止してマウスカーソルも張り付きカクッ、と表示されるような挙動よりも押してから0.5秒も時間がかかるけども処理中も画面が滑かにアニメーションして『処理が終ったよメッセージ』をピョーンとポップアップアニメーションさせるほうが人間は気持ち良く感じるんですね。もちろん0.1秒の処理が10秒もかかってしまうようなシステムはやっぱり速度が遅い印象になるんですけども、ある程度以上高速化すると実処理時間よりも見た目の滑かさというのが非常に重要になってくるという側面があります(たぶん、それを良く判っててソコを絶対譲らないように注意深く設計して成功したのが初期のiPhone)

そんなわけでグラフィックスの描画性能は CPU の速度と同じぐらいこだわりたい(というか、一般の関心がコアあたりの速度性能のみに向きすぎ)と思っているワタクシです。

- FlightGear on U38N -

前座はこれくらいにして、本来の目的(?)であるフライトシミュレーターをさっそくインストールして試してみました。本当は普段よく使う Microsoft Flight Simulator X をインストールすべきところですが、認証の問題(FSXは単一のPCにしかインストールが認められない)があるので、とりあえずフリーのフライトシミュレータである FlightGear を試してみました。ちなみに FSX のライセンスはワタクシ実は2パッケージ所有しており、ひとつを解除して U38N にもそのうち入れてみる予定です(マイクロソフトに電話かけないといけないので面倒くさいんです)

FlightGear はもう十数年にわたって有志の方々によって開発が続けられているフリーでオープンソースのフライトシミュレーターで、ほぼ全世界の空港、Nav-Aids(航法支援施設)、人工衛星によるデジタル高度データを元にしたシーナリー(風景)を網羅し、セスナ172からB787まで、ソッピースキャメルからV-22オスプレイまで各種飛行機をシミュレートする、パッケージソフトと比較しても勝るとも劣らない機能を備えた本格的フライトシミュレータです。

FlightGear 公式: http://www.flightgear.org/

デスクトップPCでもたまにプレイしていますが、正直グラフィックスについては今風の3Dゲームの派手な画面からは見劣りするものの、フライトモデル(物理挙動やシステムの再現度など)はかなり良く出来てます。ボランティアによる開発のため機種によって作り込みが甘かったりユーザー・インターフェイスがこなれていなかったりといった荒削りな部分はあるものの、全体としてフライトシミュレーターに必要な機能はほとんどそろっていて、ボランティアでよくぞここまで開発してきたものだと感心してしまいます。

一般にこれまで発売されてきたパッケージのフライトシム・ソフトでもここまで機能を揃えたものは数えるほどのタイトルしかないような気がします。パッケージとして販売されているものはエンターテインメント寄りである場合は画面が派手で作り込みは凄いですが非常に限られたシチュエーションしか再現できないのが普通で、ジェネアビのシミュレーター寄りとなるとそもそも発売されたタイトル自体が非常に少なくなります。記憶にあるところではまず Sub Logic そして後の Microsoft Flight Simulator の一連のシリーズ、それから現在も鋭意開発更新が継続されている Laminar research の X-Plane シリーズ、10年ぐらい前に発売されてあっという間に消えていった Terminal Reality/P&A の Fly!、非常に出来はよかったけども飛べるエリアが非常に狭かった LookingGlass/EA の Flight Unlimited シリーズ(iOS に同名のアプリがありますが、直接の関係はないっぽいです)といったあたりでしょうか。

現在もまだディスコンにならず開発されているものとしては X-Plane がほぼ唯一のタイトルになり、一応ロッキード・マーチン(あの有名な航空機メーカーです)がマイクロソフト・フライトシミュレーターの権利を買い取って後継の Prepar3D というアプリを開発していますが、これは今のところ価格も高くそもそも気軽にお店で買えるようなソフトではないです(購入は海外サイトのクレカ決済のみ)。こんな状況なので、FlightGear のようなものをフリーで遊べるというのは、非常に有り難いことだと思っています。

このように FlightGear は見た目はやや質素でも、システムとしては質実剛健でかなり複雑な計算を真面目にやっているので実行 PC の必要スペックはけっこう高いです。重い表示オプションを ON にして細かく作り込まれた機種を選択し複雑な建物があるサンフランシスコ空港から出発、のような負荷MAXになるような状況だとグラボを積んだ高速の Core-i7 デスクトップPCでもかなりカクカク表示になってきますので、数年前の Core-i5 + Intel HD Grahics 2000 クラスのPC程度ではたとえ負荷を軽くしてもガクガクでまともにプレイ出来ませんでした。

このけっこう重い FlightGear の現行最新版 Ver 2.10.0.3 を使って U38N と VAIO Z の両方で、ほぼ同じ条件でプレイしてみたものを動画にまとめてみました。

FlightGear on ASUS U38N:


私の普段のプレイの設定に近い状態にするためインストールのデフォルト状態からいくつかオプションを変更していますが、フレームレートに影響しやすい項目として3Dクラウド(立体的な雲表示)、ランダム建物やランダム草木表示をONにしていますので、デフォルトよりはやや重い表示となっています。

なおFlightGear の現バージョンは ATI のグラフィックボードで動作させると画面表示がおかしくなる不具合があり、ここに書いてある設定を最初にやっておく必要があります(次回バージョンでは修正される予定だそうです)。U38N でもまさにこの現象が発生しましたので起動オプションに修正を入れています。

プレイ中の動画のキャプチャーには Fraps を利用していますが、Fraps 自体も多少処理時間を食うため通常の環境下では動画の状況よりややフレームレートは向上します。

解像度設定は 1920x1080 のフルスクリーン表示で実行しましたが、この解像度をドットバイドットでフルに Fraps でキャプチャーをすると動画書き込みが重くてガクっとフレームレートが落ちるため半分の解像度でキャプチャーして、それを編集して Youtube アップロードする前の動画エンコードで 1280x720 にリサイズしています。

平均してみると双方ともだいたい 20 - 30 のフレームレートぐらいになるようです。U38N のほうがグラフィックスのレンダリング速度は速いがシミュレーションの計算部分で VAIO が勝って相殺されている、という感じでしょうか。また U38N の HDD アクセスはだいぶ遅いと言われていますが実際に Fraps のキャプチャー時の動画書き込み速度が影響してくるらしく、Fraps キャプチャー ON では双方ほとんど拮抗したフレームレートでもキャプチャー OFF にすると若干 U38N のほうがフレームレートが良くなるようです。

他に気になった現象としては、U38N ではランチャーからの起動直後、ものすごく重くなりフリーズ状にカクカクになってしまうというのがあります。元々 FlightGear は起動時のファイルアクセスが激しく、しばらくカクカク表示になってしまうのはどれだけ高速なPCでも同様なんですが、U38N では特にそれが顕著なようです。これもおそらく U38N の HDD の速度が遅い事に起因すると思われます。

ちなみに Fraps は Windows8 で動作するか不安だったアプリの一つでしたが、ちゃんと動作して安心しました。

- FlightGear の零戦 -

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つい最近スタジオ・ジブリ最新作の「風立ちぬ」を見てきたばかりなので、やっぱりコレかな、とフライトする機種としてはゼロ戦を選択しました。あの映画、事前の製作情報を聞いて本当にあの内容を出来るのかと思っていましたが、さすが宮崎駿ですね、飛行機好きのワタクシはこの映画にすっかり惚れこんでしまいました。

ちなみに宮崎監督自身や鈴木プロデューサらも明言してはりますが、あの映画はあくまでも史実をベースにしたフィクションなので、非常によくできた映画ですが歴史の資料にはなりません。まず菜穂子との恋愛関連や堀越さんの人となりの部分は大部分が創作、というか小説「風立ちぬ」とその作者の堀辰雄からひねり出したものだそうです。実物の堀越さんは映画のキャラクター同様に真面目で几帳面な細かい事にこだわる方だったそうですが菜穂子のようなキャラは存在せず普通に健康で美人な方と結婚されてお子さんも沢山おられたようです。

航空機開発の歴史の部分はおおむね史実どおりですが、細かいところは結構嘘が入っています。例えば映画の中で九試単戦のデモ飛行時に観客の一人の将校が「まるで外国にいるようだ…」とつぶやくシーンがありますが、適当に創作したセリフみたいに聞こえますけど実は元ネタが史実にあるんです。実際の話では当時の海軍機の設計や実験・調査を行う機関の航空技術廠の長だった前原謙治中将という方が、関係者一同への祝辞で「まるで先進外国にいるようだ」と述べたといわれています。ただし、これを言ったのはあの映画にでてきた鳥の翼のような逆ガル翼の九試単戦一号ではなく、普通のひらべったい主翼に改修した二号機をデモ飛行した時の話だそうです。こんな風に実際にあった史実の少ネタとオリジナルで創作した少ネタをごちゃ混ぜにしてから、まるで歴史のパロディのように史実をモザイク状に再構成したのが映画「風立ちぬ」といえるかもしれません。

この映画と同じく宮崎監督の飛行機趣味を発揮した「紅の豚」でも本筋の脚本的にきっちり作り込んだストーリーとは別に、飛行機マニアなら良く知っている史実のネタをちょいちょいパロディのように折り込む手法をやってましたが、今回の映画はその史実パロディ部分が半分くらいに拡張された映画(残り半分は創作の恋愛ストーリー)、と見ることも出来るかもしれませんね。今日とつぜん宮崎駿監督の引退のアナウンスがあったそうですが、たしかにこの映画はどこか「今まで人様に鑑賞して頂くために作品を作ってきたけど、最後は自分が鑑賞するための映画を作ったゾー」という雰囲気も感じられました。もっとも今まで何度も引退宣言してきてるのでオオカミ少年的な扱いになりかかってますが、はたしてどうなりますかね。

FlightGear のゼロ戦の話に戻しますが、このゼロ戦は FlightGear の標準インストールで最初から選択できますが、開発者が日本人の方ということもあり細かいところにこだわりがあって良く作り込まれている機体データのひとつです。零戦といえばギア(車輪)を引き込むときに左右が差動するのがシンボルになっていますが、この FlightGear でもちゃんとそのギミックを再現しているのがイイ感じですね。しかもちゃんと空力的な抵抗も再現していて、脚の引き込み中は左右にヨー・モーメントが発生するので少しラダーを当てる必要があります。うーん、素晴しい…。この零戦の引き込み脚の差動の理由はいくつか説がありますが、機構上は本来同時に引き込めるはずがプロペラ後流の影響もしくは油圧機構の製造バラツキあるいはそれら全部の複合要因によりあのような動きとなるそうです。なので実機では同時にちゃんと引き込める機体もあったようですね。

ゼロ戦みたいに着地姿勢では尻持ちをついて頭が上がり空を向いているような形の飛行機を、尾輪式(テイル・ドラッガー)と言いますが、これ昔の飛行機に多いんですけども今の普通のセスナのような前輪式にくらべるとやや離着陸が難しい飛行機です。そこらあたりの難しさも疑似体験することが出来るのがフライトシミュレーターの醍醐味です。たとえば FlightGear のゼロ戦でも、加速するとすぐに左右のコントロールが難しくなりちょっと気を抜くとあっという間にグラウンドループに入りますし、高速滑走中にバッと車輪ブレーキを踏むと、くるりんと前転して飛行機がひっくりかえってしまいます。

だいぶ U38N の話からそれてしまいましたが、動画のほうも U38N のテストとしての要素と同時に簡単な FlightGear の紹介にもなるように作ってみましたので、何かのきっかけや参考になれば幸いです。

さてさて U38N のレビューですが次回は、なななんと SSD とメモリ換装の感想です。当面換装する気はなかったのですが、ある事がどうしても気になってしまい…。
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2013年09月01日

ASUS U38N レビュー#1: Windows8って正直どないやねん

ASUS の AMD 搭載ウルトラブック風味薄型ノート VivoBook U38N のレビューその1です。

U38N の OS は Windows8 64bit 版です。海外版は Windows7 も選べるっぽいですが、日本で店頭売りを購入する場合は選択の余地なく Windows8 64ビット版になります。

また内蔵ドライブは 500G の HDD になりますが、これも海外版は 128G SSD となっておりこの辺り海外版と違う事情が何なのかはよく知りませんが、とにかくそのようになっています。

しかしながら、ネットで検索すると情報がたくさん見つかりますが U38N はわりと分解しやすい構造になっていて(メーカー保証外になりますが)自分でSSDに換装したりメモリ増設したりするのも容易らしく、そこらへんも購入理由のひとつであったりします。

玄関あけたら2分で御飯、電源を入れたらまずは Windows8 のセットアップです。Windows8 の PC はワタクシ初体験でありまして、なんか以前のウィンドウズからするとやたらとセットアップ項目が増えたなぁという印象を持ちました。

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U38N の液晶スクリーンはタッチスクリーンなので、セットアップ時からタッチスクリーンで操作できます。タッチ操作できると言っても基本マウス代りになってるってだけの話なので、普通にマウスやタッチパッドで操作してOKです。ていうかタブレットには慣れきってるのに何故かノートPCのスクリーンを直に触るのはまだ抵抗がありますね。不思議です。左下のボタンを押すとナレーターとかいうのが選択できて、たぶんボイスで読み上げとかしてくれるんだと思うんですけど、こんなの前からありましたっけ…?

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個人情報やネット保護、ウインドウズ・アップデートの設定については「簡単設定」と「自分で設定する」の2つから選べるようになっています。

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これを「簡単設定」にすると自動的にいくつかの情報をマイクロソフトに送信する設定になりますので注意です。これはもちろん違法に個人情報を送信するとか、まして情報を悪用する目的ではない(はず)ですが、気になる人は「自分で設定」を選んで個別にON/OFFするのがよいでしょう(※ここで「簡単設定」しても、セットアップ後に項目を個別に設定し直すことは可能)

今年10月に提供される予定の Windows8 のアップデート版の Windows8.1 でもちょっとした物議をかもしている"マイクロソフト・アカウント" ですが、Windows8 のセットアップでは、一応マイクロソフト・アカウントとローカル・アカウントのどちらかを選べる仕様になっています。

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とりあえず U38N のセットアップでは「ローカル・アカウント」を選択しました。

ローカル・アカウントというのは、今までの Windows のログイン・ユーザー名とパスワードと同じ仕組みで、これは Windows PC の本体(のユーザー)に紐つくものであり、ログイン用の情報はローカル、つまりログインしようとしている目の前にあるパソコンのドライブ内のファイルに設定・保存されています。なので、ローカル・アカウントの場合例えば会社のパソコンに自宅のパソコンと同じアカウントでサインインしようとしても普通は入れません。パソコン個別ごとに設定されているからです。

一方の Microsoft アカウント(以前の Windows Live ID)は、これは簡単にいうと iTunes における AppleID や Android におけるグーグルアカウントのようなものとお考えください。これを作成することで iTunes や GooglePlay と同じ立ち位置を目指している Windows ストア からアプリをダウンロードしてインストールすることが出来るようになります…というか、Windows ストアを使うならこの Microsoft アカウントは必須です。WindowsRT(SurfaceRT等のARM版Windows8)ですと事実上このストア・アプリを使うしかありませんが、通常の Windows8パソコン(SurfacePROも含む)の場合はこれまでの普通の Windows アプリを今まで同様にインストールして使うこともできます。Windows ストアでのみ提供されるアプリに対し、これまでのWindowsアプリを"デスクトップアプリ"とマイクロソフトは称しています。

ややこしい話ですが、Windows ストアの利用には Microsoft アカウントが必須ですが、これは"Microsoft アカウントでの Windows サインインが必須"という意味ではありません。ローカル・アカウントで Windows8 にサインインして Windows ストアを使う時だけ Microsoft アカウントをサインインという使い方も出来ます。たとえば、ローカル・アカウントでサインインした Windows8 から Windows ストアを起動するとアプリの一覧やそれらの詳細情報を閲覧することは出来ますがいざインストールしようとするとサインインを求められる、という風な動作になります。

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Windows ストアだけでなく、他に標準で入っているマイクロソフト謹製の Windows8 アプリのうち SkyDrive だとか Xbox Games だとかいったものは利用にあたって必ず Microsoft アカウントの追加を求められるようになっていますが、これを Microsoft アカウントで Windows8 にサインインするようにすると、いちいち入力しなくて済むようになるというわけです。またアプリ毎のサインインが不要になるだけでなく、Windows の利用環境情報がローカルのパソコンではなく、マイクロソフトのサーバーが管理する Microsoft アカウントに紐つくようになって別のPCでも環境をある程度同期したりできるようになるようです(私は試してませんので読んだ情報の受け売りです)

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iOS や Android は AppStore や GooglePlay が無いとどうにも始まりませんが、Windows の場合はこれまで蓄積された膨大なデスクトップアプリの資産があり、まだ始まって間もない Windows Store のアプリではまだまだ十分とは言えず現状はまだ Microsoft アカウントは必須という程でもないのですが、今後は必須の流れになるかもしれないとも言われています。たとえば、これまでは直ファイルでも提供されてきた Windows サービスパックですが今回の Windows8.1 から Windows Store のみでの無料配布になるとアナウンスされているため、少くともシステムを Windows 8.1 にアップデートするには Microsoft アカウントが必須となります(通常の Windows パッチはこれまでどおり Windows Update 経由で提供)。Windows8.1 でもローカル・アカウントを継続して使うことは可能なようですが、全般に Microsoft アカウントでサインインして(マイクロソフトの提供する)クラウドサービスを積極的に使うように推奨していく流れは今後ますます加速すると見られています。

ひととおり Windows8 の初期設定が終ると"Windows8 を始める前に操作方法を予習しておきましょう"的なガイダンスがでてきます。

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まあ無いよりは有ったほうがいいでしょうが、ごく簡単な基本操作しか提示されないので、こんなもんで操作の勉強になるとも思えず「ファイル処理中のプログレスバー出すかわりにコレでも出しとけ」みたいな投げやり感も感じないではありません…。

Windows8 を象徴するメトロUI(今は名前が変って Modern UI)、マイクロソフトが Windows Phone から導入を始めたUIの形式ですが、この新しい Windows のヨーロッパ風味なカラースキームは個人的にはかなり好みです。ここは素直に褒めたいです。

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最近見慣れてきた Windows8 のスタート画面にようやく到着しました。普通この価格帯の液晶はTN液晶みたいな白っぽいチープなものが多いのですが U38N の液晶は全くそんな事はなくかなり良いモノに見えます。解像度はフルHD(1920x1080)で、タッチパネルのためツルピカのグレアタイプでかつ外枠との間の段差がないのも良く見せている理由かもしれません。下の画像ではやや白カブリしている風に見えますが、背後の壁が若干反射しているからで実物は鮮やかに発色し明るさも十分です。

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このスタート画面は、これまでの Windows におけるスタートメニューが全画面モードになったものです。Windows ストア、タッチインターフェイス、Modern UI など革新された Windows のイメージがある Win8 ですが、よくよく見ると以前の Windows の基本的なところを出来るだけ温存しつつなんとか無理矢理に今風に仕上げようと努力したのがわかります。例えばこのスタート画面こそ今までの Windows になかったものですが、ここからワンクリックないしワンタップで一旦デスクトップ画面に移ると Win7 と似たような操作感の画面になります。ここで Windowsキーを押すと今ままではスタートメニューが出たかわりに全画面のスタート画面が表示されるという塩梅です。見た目は大幅に変ったもののその実態は"スタート画面≒以前のスタート・メニュー"なわけです。

というわけで、まだそんなに使い込んではいませんが第一印象としては思ってたほど今までの Windows と大差はないなという感想を持ちました。細かいところではちょこちょこ違いがありますし、ストア経由で提供されるメトロ・アプリでは全画面表示が強制になる都合もあり完全に以前と同じ操作感というわけにはいかず、例えばスタート画面も見てくれはカッコイイが使い勝手は正直、以前のスタートメニューより落ちてしまっていると言わざるを得ないのも確かではあります。先に述べたとおりメトロUIのアプリは全画面表示が強制になる仕組みなので、メトロ・アプリとデスクトップアプリ(これまでの非メトロ・アプリ)を連携して使うのが非常に苦痛というのも、今現在はほとんどデスクトップアプリで事足りているから良いものの後々問題になってきそうではありますね。

どちらかというと世間的には Win8 のユーザー・インターフェイスの評判はあまりよくない流れになってるみたいですが、ワタクシは UI の細かい操作感の違いとかをあんまり気にしないテキトーな性格なもので、ぶっちゃけUIについてはまあこんなもんかなと言われてるほど不便な感じはしないと思いました。それよりも、今まで使ってきたデスクトップアプリで互換性の問題が出ると困るなぁという心配のほうが大きいのですが、互換性の問題はもし起こるならいずれ解決しないといけないのは明白なのでこの機会に洗い出しておこう、ということでボチボチ検証していく心積もりでいます。

U38N のレビューは2回ぐらいで終わるつもりでしたがもうすこしやるかもしれません。とりあえず次はいよいよ、ワタクシ的に最大の関心事である3Dグラフィックス性能について書きます。
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2013年08月23日

Haswell VAIO やめて ASUS U38N 買うたった

だいぶ物欲をくすぐられた Haswell 搭載の新 VAIO PRO ですが、悩んだ末購入は見送ってかわりに ASUS の AMD 搭載ウルトラブック風ノートPC U38N を購入してみました。

- Haswell VAIO PRO やめた理由 -

一時は本気で VAIO PRO 13 に心が傾きかけたのですが、ネットに散らばった各種情報をまとめてみると、やはり Intel が事前にフカしてたほど GPU 性能が向上しているように見えず、現在使用している VAIO Z(通常電圧版 Core-i7 620M)の GeForce GT330m と比較してドッコイドッコイか下手するとちょい下にしか思えなかったためです。

もし10万円切るくらいの破格の値段なら圧倒的な軽量化とバッテリーライフを目当てで確実に買うでしょうが、カスタマイズで Core-i7 に差し替えてメモリも増設して…などと考えると最終的なお値段も20万ちかくになってしまいますので、個人的に一番気になる GPU 性能がたいしたことないのはやはりちょっと考えてしまいます。20万円越えでも軽量最速の超性能で2年以上使えるのを買うか、そうでないなら安くてそこそこのを買う、というのがパソコン購入のポリシーです。いわゆるハイローミックス思想というやつです(ちょっと違うか)。

GPU(Graphics Processing Unit)の性能を見るにはベンチマークが良いのですが、それも特定の機能だけを集中して計測するベンチマーク特化アプリよりは、3Dゲームのベンチマーク版、例えばモンスターハンターベンチのようなもののほうがより実際に即した数値が得られます。

ここで重要なのが、ネットで検索して3D関連のベンチ数値を比較する場合、実行時の解像度が一致したもの同士でないと意味がないということです。他の種類のベンチでも比較の際にはできるだけ双方の条件を揃えるというのは基本ですが、3Dグラフィックスの場合は画面解像度がベンチの結果にもろに影響しますので、ここは抑えないといけないポイントになります。

ベンチアプリや3Dゲームの処理において、GPU は画面を描画するのに使われますが、この際に画像を生成する処理はおおまかに二つの処理にわかれます。第一が座標値などの演算でこれを主にバーテックス(頂点)シェーダーという GPU のプログラムが処理します。第二に計算が終った座標値を元にグラフィックの絵を塗っていきますが、これをピクセルシェーダー(フラグメントシェーダー)というプログラムが担います。最近の GPU は Unified Shader Model といって双方のプログラムを同じユニットで処理しますが、その場合も処理の流れはこのように2段(あるいはさらに複数段)にわかれて実行します。

ここで例えば描画する解像度が縦横それぞれ二倍になると、ピクセルシェーダーの処理する情報量は必ず四倍になります。これはどんだけピクセルシェーダーが高性能になっても同じです。あたりまえですが、解像度が増えたぶんだけ必ずピクセルシェーダーの処理量が増え処理時間が増加します。

画面更新速度をはるかに上まわる速度でシェーダー処理が可能な場合や、ピクセル処理より頂点処理のほうがはるかに多い場合は解像度の影響はすくなくなりますが、実際には今風のハデなエフェクトの多い3D画面では GPU の総処理時間のかなりの部分がピクセル処理に費やされていることが多いのです。

例として、手持ちの VAIO Z でモンハンベンチ「大討伐」を実行した場合を見てみましょう。解像度 1440x900 では RESULT が 1932 ですが、1920x1080(フルHD)では 1319 になりますので、解像度が上がってピクセル処理量が 1.6 倍に増えたことによりスコア値は 68% に低下しています。ピクセル量の比率でいうと 1÷1.6 = 0.625 つまりピクセル処理単体では 62.5% まで遅くなってるはずなので、ピクセルシェーダーの負荷がほぼスコア低下に繋がっているのがわかります。

というわけで 3D のベンチを見る場合、ベンチアプリのバージョンが違うものどうしの値を比較するのが無意味なのと同じぐらいに、解像度が異なる条件で実行したものを比較するのは意味が無いんですが、意外に解像度まで記載されてないことはよくあります。なので New VAIO PRO の3D系のベンチの情報を探してもなかなかコレという決定打的なものが見つからなかったんですが、色々検索していてたまたま偶然見つけたブログページに、ちょうど私のと同型の VAIO Z と新 VAIO シリーズを比較した記事で、モンハンベンチの結果をちゃんと解像度情報をつけて載せていたのがあり非常に助かりました。

このブログの情報によると、1280x720 の Windowモードで実行した場合、新VAIO Pro 13 の結果が 2067 で VAIO Z11(GT330M)が 2288 となっていて、若干 VAIO Z のほうが良いスコア結果となっていました。ちなみにVAIOカスタマイズで Intel HD5000 を搭載した VAIO Duo PRO 13 (キーボードをガシャっとスライドさせるモデル)では 2959 とさすがに良いスコアを出しています。

結局このブログの情報が決め手になって VAIO PRO は見送ることに決め、次回さらにパワーアップした VAIO PRO を待つことにしましたが、現実問題として VAIO Z も使用3年超えて相当ヘタってきていて特に液晶がだいぶ劣化の様相(あちこちにムラ、シミ)になってきていたので、つなぎで何か安いウルトラブックが欲しいなという気分もあったんですね。

多少性能落ちても Core-i5 以上で HD4000 の安いのがあればいいか…と一時購入も考えたことがあった ASUS の ZENBOOK シリーズを物色してたんですが、その流れで同じ ASUS の U38N 見つけ「こりゃーまさに次の VAIO までのつなぎ用途にうってつけ!!」と、購入いたしました。

なぜ「つなぎ用途にうってつけ」と思ったかというと…

その1. 意外と安い。元々実売が8万円ちょいくらいしかも Haswell Ultrabook のせいか、さらにお安く叩き売り状態だった。

その2. 意外と性能は悪くない。特に私的にこだわる GPU については VAIO Z の GT330m と同等以上らしい。

その3. 意外と見た目も悪くない。いわゆる MacBook Air の パクリ オマージュを感じられるスタイリッシュなルックス。

その4. 意外と重くない。1.5kg 超えだが、GPU がこの性能でこの重量はかなり軽いほう(高速 GPU を積むと2kg,3kg越えはザラ)

その5. 意外と液晶は綺麗。IPS でフルHD(1920x1080)でしかもタッチパネル!!

その6. 意外と(?) Intel じゃない。AMD のノートPCはマイノリティなので、ブログのネタに使える。


…と、値段にしては意外と悪くないんですね。このなかでも特に GPU 性能が VAIO Z の GT330m と同等以上というのが決め手になりました。

ちなみに大手家電量販店では「省電力に優れたAMDを搭載!」的な売り文句で店頭販売しているところもあったようですが、それは以前の話でバッテリー駆動時間では新しい Haswell Ultrabook には敵うべくもなく、スペック表によると5時間程度の駆動時間となります。手持ちの VAIO Z はハイスピードモード(GT330m駆動)で3時間ぐらいしか持ちませんから、現状よりは伸びているということで個人的には5時間ならまあ悪くないんじゃない、という感じです。

外見は同社の Ultrabook のフラグシップである ZENBOOK シリーズにそっくりで、筐体を流用してるんじゃないの?と思ったぐらいですが実際には微妙にサイズやデザインが異なり、U38N のほうが微妙に大きいようです。"Ultrabook" という呼称は Intel が公認して推進しているので、Intelではない以上"Ultrabook" には決して成り得えないわけですが、実質"Ultrabookっぽいもの"といえます。

Intel も CPU と GPU を融合させて省電力化、ローコスト化、総合的な性能向上に繋げる方策を探っていますが(Haswellもそんな試みのひとつ)、AMD は ビデオカードRADEONの開発メーカーとして有名だった ATI を買収した2006年ごろからそういった取り組みを始めており、AMD では CPU/GPU を融合させたシステムを APU(Accelerated Processing Unit) と呼んでいます。

U38N に搭載されている APU は、A10-4655M という型番で AMD Trinity シリーズ・モバイル用 4コア 定格2.0GHz/Turbo2.8GHzで内蔵グラフィックス HD 7620G のモデルとなります。コア数やクロックだけみると結構高速なのかと思えてしまうかもしれませんが、Intel 系と設計も構造も異るためこれらの数字を Intel の CPU と単純比較するのは無意味です。得手不得手もあるので一概には言えませんが、ネットのレビューではおおよそ一世代前の Intel Core-i5 と同程度かやや劣るという情報が多いようです。

前置きはこれくらいにして、さっそく開封してみることにしましょう。

- 開封 -

ところでいきなりですが、じつはこれ実際に開封してからかれこれ一ヶ月以上経過してます。なんでかというと、タッチパネルの初期不良に当っちゃったからです。交換やら何やらとやっているうちに時間が経過してしまいました。

化粧箱は二重になっていて、外箱はダンボールの地味な感じですが内箱はこの画像のものになります。外箱と内箱の間に保証書が入ってるので注意です。

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箱を開けてみると、結構いろいろオマケが入っています。

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本体ケースもオマケについてきますが、これが意外に使えます。高級な素材ではないですがさりとてチープ過ぎてすぐ破れそうなものでもなく、ごく普通に使える感じです。もちろん本体サイズにピッタリ合います。

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薄くするためかVGAポートはminiVGAで有線LANポートも無いですが、miniVGA←→VGAアダプタ、USB←→LANアダプタがオマケで入っています。そのアダプタを入れるソフトケースもついてきます。

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他に液晶クリーナーやケーブル止め、それにもちろん取説とACアダプタが入っています。オフィスソフトは KING OFFICE がプリインストールでついてきます。KING OFFICE は中国のキングソフト社が開発販売する MS OFFICE の互換ソフトで本家エクセルやワードのファイルをそれなりに同じように扱えるそうですが、100%互換というわけでもないでしょうし、他にもいろいろなことが気になる人はアンインストールして本家を入れなおしたり、こんなのを入れてみたりするのも良いでしょう。

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ACアダプタは思いのほかコンパクトなサイズで、U38N の本体重量 1.55kg ですが AC アダプタまで勘定にいれると持ち運び重量は VAIO Z(本体重量1.3kg程度) とあまり変らないかもしれませんね。VAIO Z の AC アダプタはかなりでっかいです。

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天板は美しい仕上げのヘアラインが入った金属材質です。高級オーディオ機器のオッサン的イメージ刷り込みで、ヘアライン仕上げだと単純に好印象を持ってしまいます。お、なんかこれ高級っぽい、みたいな。

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光学ドライブはありませんが、USB3.0ポートx3, mimiVGA, HDMI出力, SDカードスロットと必要な基本ポートはひととおりそろっています。

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光学ドライブ(DVDやブルーレイ)については必要な時にUSB外付けで対応することになりますが、ここの情報によりますと本体液晶パネルは HDCP 非対応っぽい、つまりブルーレイドライブや地デジチューナーを接続しても本体パネルでは試聴が出来ずHDMIで外部モニターに表示させないといけないようなので注意です。私の場合はインストール用途以外でドライブを繋ぐ予定はなくこれでブルーレイを見ようとも思ってない(そもそもブルーレイディスクのコンテンツを数えるほどしか持ってない)ので良いのですが、そういう用途を考えている人は注意が必要です。

パネルはグレア、つまり光沢のツルピカタイプです。私は昔グレアパネルが嫌いだったんですが、時代の流れには逆らえずスマホやタブレットを使ってるうちにグレアに慣れてしまいました。それでも、たまに画面が暗転した時にシケたオッサンのツラが映りこんで、ちょっと沈んだ気分になることはありますが。

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いよいよスイッチオン。スイッチはキーボードの右上端バックスペースキーの直ぐ上にあります。まあ、これもアレの パクリ オマージュでしょうか。正直いって電源ボタンは別の形式にしてほしいかなーという気はありますが、まあいいでしょう。

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…というところで次回に続きます。U38N レビューはあと1、2回程度やるつもりです。
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